日産自動車の2022年3月期連結決算は、売上高8兆4,246億円(前年比7.1%増)、営業利益2,473億円(前期は1,507億円の損失)と増収増益となった。これは、販売台数の減少や原材料価格の高騰があったものの、販売の質の向上や為替変動により改善したことによる。グローバル販売台数(小売り)は、主に半導体の供給不足により387万6千台(前年比4.3%減)となり、その結果、市場占有率は前年比0.4ポイント減の4.9%となった。日本国内の販売台数は42万8千台(同10.3%減)、中国は138万1千台(5.2%減)、メキシコとカナダを含む北米市場は118万3千台(2.4%減)、ロシアを除く欧州は28万9千台(11.9%減)、その他市場では54万3千台(5.9%増)となった。2021年11月には、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表。「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンに、電動化を戦略の中核とし、移動と社会の可能性を広げるワクワクするクルマと技術の提供を目指す。2021年度で「事業構造改革計画/NISSAN NEXT」(2020~2023年度の4か年計画)の前半2年が終了したが、取り組みの結果、Nissan NEXTで掲げた最適化のフェーズは完了し、選択と集中を推進することで重点市場で計画を上回る成果を生み出している。後半戦については、今後の成長に向けた取り組みを更に推し進めると同時に、長期的な方向性を示すNissan Ambition 2030のもと、2026年度までに電動車のモデルミックスを40%以上にすることを目指し、バッテリー開発にも更に力を入れていく。
参照コンテンツ
- JMRからの提案 明日のクルマはどこに飛ぶのか―次世代モビリティ展望(2022年)
- 戦略ケース 経験財化で市場拡大目指すKINTO―自動車サブスクの新しいカタチ(2022年)
- JMRからの提案 EVが変える市場と競争-「拡・自動車市場」への脱成熟と自動車メーカーの脱皮(2021年)
- 戦略ケース 自動車メーカーの生き残り戦略―移動システム産業で成功するためには(2018年)
- 戦略ケース トヨタ自動車vs. 日産自動車 世界のトヨタ、V字復活の日産。グローバル再編に向けた持続成長の鍵は何か(2003年)
- 戦略ケース 顧客第一主義の徹底と商品開発の活性化 (1990年)
- 戦略ケース Be-1のキセキ(1987年)
- 戦略ケース 「フィガロ」にみる新クルマ文化の提案(1987年)
- MNEXT 眼のつけどころ ePOPで成熟ブランドのリブランディング― 2022年春の提案(2022年)
- MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ コーヒー飲料(2024年3月版)独走「BOSS」、「ジョージア」との差を広げる
プラスが続くコーヒー飲料の市場についての調査結果をみると、23年調査に引き続き「BOSS」が全項目で首位を獲得、さらに2位の「ジョージア」とは、3ヶ月内購入で差を広げた。「BOSS」はエクステンションの「BOSS CRAFT」も高評価で、リーディングブランドとしての存在感を示している。
成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)
健康志向などを追い風に堅調な動きを続ける茶飲料市場のなかで、特に伸びている領域がある。3年連続で過去最高を更新した麦茶飲料だ。背景にあるのは、気候温暖化による毎年のような猛暑と、熱中症対策意識の高まりだ。
消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い
22年度、過去最高を更新した即席めん市場。その多くを占めるカップめんについての調査結果をみると、「カップヌードル」が絶対的な強さを示し、それを「赤いきつね/緑のたぬき」「日清のどん兵衛」が追う展開となった。一方で、節約志向を背景に、コストパフォーマンスに優れるPBの再購入意向も高い。