2009年度に完全施行される改正薬事法(2006年6月、国会成立)は、コンビニエンスストアなどでも、一般医薬品(注1)の販売ができるようになるなど、医薬品販売の規制緩和を中心に改正された法律です。
今回の改正薬事法では、2007年4月に厚生労働省が定めた一般医薬品の3分類に基づいて一般医薬品を第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の三つに分けました(注2)。そのうち、第二類医薬品と第三類医薬品について、薬局・薬店の薬剤師でなくとも、実務経験1年以上で、都道府県が実施する試験に合格した「登録販売者」であれば販売することができるようになります。
情報提供についても、第一類医薬品では義務があるものの、第二類医薬品では、努力義務にとどまり、第三類医薬品では不要です。
改正薬事法施行によって、コンビニエンスストア(以下CVS)とドラッグストアの競争が激化すると言われています。
これまで、CVSは医薬品販売の規制緩和により、1999年から医薬部外品である栄養ドリンク、2004年から「整腸薬」や「ビタミン剤」の販売を行ってきました。今回の法改正で、風邪薬、解熱・鎮痛剤なども扱えるようになることで、24時間営業の利便性をさらに高めることができます。また、一般医薬品は単価も粗利益率も高いため、CVSの利益率増加につながる可能性があります。
一方、ドラッグストアでは、薬事法の改正を受け、24時間営業を始めるチェーンも現れてきています。また、医薬品分野の専門性の高さを活かし、処方薬やカウンセリングを強化することでCVSとの差別化を図ろうとしています。
(注1)<一般医薬品の定義>
- 医薬品のうち効能・効果の人体に対する作用が著しくなく、医薬関係者から提供された情報に基づき需要者の選択により使用されるもの
(注2)<一般医薬品の分類>
- 第一類医薬品:副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれのある一般医薬品のうち、特に注意が必要なもの(一部の毛髪用剤など)
- 第二類医薬品:副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれのある一般医薬品(風邪薬、解熱・鎮痛剤など)
- 第三類医薬品:第一類医薬品、第二類医薬品以外の一般医薬品(ビタミンC含有保健薬など)
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