株式会社エイチ・アイ・エスの2019年10月期の連結決算は、売上高8,085億円(前年比11.0%増)、営業利益175億円(同3.0%減)、経常利益171億円(同12.4%減)で、増収減益となった。基幹事業の日本発の海外旅行事業は、GW以降の需要減をグアムの回復や欧州需要が牽引し、売上高は対前年104%と堅調に推移。訪日旅行では、 中国市場の競争環境等の変化に伴う収益性悪化があったものの、その他エリアにおいては体制の強化を図ったことにより、特に欧米から受客が増加。海外における旅行事業では、韓国・グアムの伸長など各国のインバウンド事業が好調に推移したことに加えて、北米における事業拡大を推し進め、第3四半期よりRED LABEL VACATIONS INC.を新規連結した効果も寄与し大きく躍進した。この結果、旅行事業は売上高7,225億円(同10.9%増)、営業利益138億円(同12.7%増)となった。ハウステンボスグループは、ハウステンボスの入場者減少により売上高は対前年8.5%減、営業利益は同30.6%減で減収減益。ホテル事業は、「変なホテル」は軒数増加と通年寄与により順調に推移しているものの、ウォーターマークホテル売却及び開業費用計上により減益となった。2020年10月期の業績予想は、当初増収増益を見込んでいたが、第2四半期決算発表時には、新型コロナウイルス感染症の終息時期が不明なことを受けて未定とした。第2四半期決算は売上高は334億円の減収(前年比8.9%減)、営業利益は14億円の損失となっている。今後は当面の主軸を国内旅行に置き、「GO TO キャンペーン」による需要の獲得を目指す方針だが、下期も厳しい状況が続きそうだ。
企業活動分析/戦略分析シートのご利用には有料の会員登録が必要です。
本コンテンツでは、企業の戦略や活動を当社独自のフレームに沿って時系列で整理しています。
各企業の決算情報やニュースリリースをチェックする手間をかけることなく、戦略や事業環境を素早く把握できます。競合比較や業界分析などに幅広くご活用ください。
現在、企業活動分析/戦略分析シートのサンプルを無料公開しています。無料会員への登録でダウンロードできますので、ぜひお試しください。
企業活動分析レポートのダウンロード
- バックナンバー
企業活動分析に関する基調論文
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ コーヒー飲料(2024年3月版)独走「BOSS」、「ジョージア」との差を広げる
プラスが続くコーヒー飲料の市場についての調査結果をみると、23年調査に引き続き「BOSS」が全項目で首位を獲得、さらに2位の「ジョージア」とは、3ヶ月内購入で差を広げた。「BOSS」はエクステンションの「BOSS CRAFT」も高評価で、リーディングブランドとしての存在感を示している。
成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)
健康志向などを追い風に堅調な動きを続ける茶飲料市場のなかで、特に伸びている領域がある。3年連続で過去最高を更新した麦茶飲料だ。背景にあるのは、気候温暖化による毎年のような猛暑と、熱中症対策意識の高まりだ。
消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い
22年度、過去最高を更新した即席めん市場。その多くを占めるカップめんについての調査結果をみると、「カップヌードル」が絶対的な強さを示し、それを「赤いきつね/緑のたぬき」「日清のどん兵衛」が追う展開となった。一方で、節約志向を背景に、コストパフォーマンスに優れるPBの再購入意向も高い。