日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2017.11)
増えるコインランドリーと減少するクリーニング店
~変化する市場への対応から需要創造へ~
リサーチャー 田中優祐





本コンテンツの全文は、会員サービスでのご提供となっております。
ご利用には無料または有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。

 洗濯市場が活気づいている。従来からのクリーニング店は減少する一方だが、コインランドリー店は増え続け、今やコンビニエンスストア業界2位のファミリーマートの店舗数と肩を並べるほどに拡大した。ライフスタイルの変化に伴い、おしゃれで清潔感のある「進化型コインランドリー」が支持されるようになり、自宅まで洗濯物を回収に来て、仕上がったら家まで届けてくれる「宅配クリーニング」が人気を集めている。"かゆいところに手が届く"サービスが、利便性を追求する消費者から注目されているようだ。

 コインランドリーは、2015年時点で約1万8,000店(業界推計)が展開されている。2005年の約1万3,000店から、10年間で約5,000店も増加し、毎年5%の拡大を見せている。この伸びは今後も続くと予想され、少なくとも4万店までは飽和しないと言われている。

 一方、同じ洗濯を扱う市場において、クリーニング店は減少が続く。2005年の約4万4,000店から、2013年には約3万2,000店と30%減少している。背景には、1世帯あたりのクリーニング代支出の減少がある。総務省統計局による「家計調査報告」では、2014年の1世帯あたりのクリーニング代支出額は7,164円となっており、2004年の9,942円と比較すると、10年間で30%近く減少している。さらに1994年の支出額は17,883円と、この20年間では約半分程にまで減少している(図表1)。


図表1.クリーニング店とコインランドリーの店舗数の推移
クリーニング店とコインランドリーの店舗数の推移

消費行動と価値観の変化を捉えたコインランドリー

 従来、コインランドリーは、銭湯などの公衆浴場の隣に設置され、電気洗濯機を持たない独身者・単身者・学生といった層をターゲットにして普及してきた。

 しかし現在は、主婦層の利用が6割を超えるという。これは共働き世帯の増加によるライフスタイルの変化が大きい。女性のパートやフルタイム勤務が増加し、現代の主婦は自宅にいる時間が以前に比べ減少した。洗濯に割り当てる時間の確保が難しくなり、結果として週末に大量の洗濯物を短時間でまとめ洗いできるコインランドリーが選ばれるようになった。

 さらに、清潔志向、健康志向の高まりもコインランドリーの需要拡大の要因だ。コインランドリーの乾燥機は、80℃以上のガスの熱風で一気に乾燥させるため、ダニ・カビ・菌を一網打尽にすることができる。

 花粉の飛散量の増加や黄砂の飛来により、アレルギー症状を訴える人が増えたこともあり、屋外で洗濯物を干すことを避ける傾向が広がっている。部屋干しによる生乾きを防ぐために、自宅で洗濯だけ行い、乾燥をコインランドリーで済ませるという使い方が広がってきている。

 こうした主婦を中心とした洗濯に対する価値観の変化を受け、コインランドリー側も女性客を取り込むためのイメージ転換を図っている。

 以前のコインランドリーのイメージは、「暗い・汚い・怖い」の3Kと言われていた。しかし、女性の利用者が増加したことで、新しいタイプのコインランドリーでは清潔感や明るさ、広さが旧来のコインランドリーとの差別化につながり、収益に直結するようになった。

 まちづくりコーポレーションが運営する「エコウォッシュカフェ(ECO WASH CAFE)」では、スウェーデンのエレクトロラックス社製のハイスペックな洗濯機・乾燥機を採用しており、外観もガラス張りで中の様子がよく見え、入りやすい造りになっている。

 また、ダイワコーポレーションが運営する「ランドリーデポ」では、24時間対応のカスタマーセンターや、女性が安心して使えるように監視カメラが設置されている。さらに、1日のうち3時間はスタッフが常駐し、清掃を行うことで「無人で怖い」というコインランドリーのイメージを払拭している。

 こうした消費者ニーズの変化への対応が、コインランドリー市場の拡大に繋がったといえる。


クリーニング市場縮小の三つの要因。この先生き残るための戦略とは?【続きを読む】(有料・無料会員向け)
※会員のご登録はこちらをご覧ください。

参照コンテンツ


業界の業績と戦略を比較分析する


おすすめ新着記事

消費者調査データ<br>日焼け止め 安定感のビオレ、追うアネッサ、ニベア
消費者調査データ
日焼け止め 安定感のビオレ、追うアネッサ、ニベア

男性や若年層など裾野が広がり、拡大を続ける日焼け止め市場。今回の調査では、7項目中5項目で「ビオレUV 日焼け止め」が首位を獲得した。2位グループでは「アネッサ 日焼け止め」「ニベアサン 日焼け止め」が接戦を繰り広げており、これら3ブランドが上位を固めている。

消費者調査データ<br>スポーツドリンク・熱中症対策飲料<br>アクエリアス、ポカリスエット、強い定番、追うグリーンダカラ
消費者調査データ
スポーツドリンク・熱中症対策飲料
アクエリアス、ポカリスエット、強い定番、追うグリーンダカラ

スポーツドリンクの市場はダウントレンドが続いているが、記録的な猛暑だった今年の7月に続き、8月も連日の猛暑となったことから、スポーツドリンクをはじめとした飲料市場は活況を呈している。今回の調査では、7項目中6項目でアクエリアスが首位、僅差もしくは小差で「ポカリスエット(大塚製薬)」追う展開となった。無糖茶飲料やミネラルウォーター類とも厳しい競争が予想されるものの、市場の拡大や、新しいヒット商品の誕生が期待される。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター<br>ブームは一過性?話題性で飲まれる透明飲料
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター
ブームは一過性?話題性で飲まれる透明飲料

「い・ろ・は・す」などのフレーバーウォーターにとどまらず、透明なコーラや透明なラテなど新商品が次々登場している透明飲料。確立途上のカテゴリではあるが、今回の調査では「コカ・コーラ クリア」などがブランドの知名度で高い再飲意向を獲得した。また、性別や職種などの属性別、清涼飲料への意識別でも飲用率に差が見られた。果たして透明飲料は今後定着するのか。






マーケティングモニターのご案内
データでわかる辛口性格診断
マーケティング入門講座
会員登録のご案内
消費社会白書2018
「戦略200+」比較分析ツールのご案内
page top

JMR生活総合研究所マーケティングサイトに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権はJMR生活総合研究所に属します。

Copyright (c) 1997-2018 Japan Consumer Marketing Research Institute. All rights reserved.