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公開日:2010年07月23日

営業現場の科学
第40回 接触頻度を上げる
営業戦略チーム

 電話でのアポイント、電子メールでのご案内、直接の飛び込み訪問をしても、アポイントが取れない、門前払いされてしまう。商談をしようにも、この壁を越える前に挫けてしまう場面は実に多い。初回のアプローチで見込みが全く無い場合は、相手の都合を考えない押し売りのようになってしまうため、それ以上営業活動を続けても受注には至らない。しかし、営業見込みがあると確信できる場合は、初回で門前払いされても、アプローチしたい相手への接触頻度を上げるように努めるべきである。

 営業活動に限ったことではないが、接触する回数が増えるほど、人と人との親近感や好意、親密度は高まるという現象が知られている。単純接触効果、ザイオンス効果といわれるものである。もともとアプローチしたい相手にとって興味関心がないものであったり、興味関心はあっても、信頼関係が築けていない初期の段階から強引にクロージングするような相手に不愉快な態度を示すのは逆効果であるが、そうでなければ、接触頻度の多寡は営業成果に反映されるものである。「今後の訪問はお断り」といった悪い関係に陥っていない限り、巧く接触頻度を上げることだ。

 単純接触効果(ザイオンス効果)を知っていれば、何度も相手と接触するための「段階的なアプローチのシナリオ」を作ることができる。しかし、何度も会えば会うほどいいとはいっても、会う用件がなければそれもできない。でも、何度も会うことが肝要である。このためには、相手との信頼関係を作る段階を意図的に設け、相互理解の上で最適な解決策としての自社商品・サービスを提案する、という多段階のシナリオを持つことである。

 初回の接触では売り込みはせず自己紹介に留め、次回の面談の確約を得る。できれば1週間以内に再訪問し、ここでも売り込みではなく、相手の困っていることを話題にして提案チャンスを探る。さらに次の訪問では相手の課題解決に役立つヒントを案内する。このやり取りを積むことで信頼関係を作りながら自社の商品・サービスへの関心を高めてもらう。最終的には、こちらから売り込むのではなく、相手から注文が出てくるように誘導していく。相手には何度も会うことが有効なのだから、それが出来るようにシナリオを作り、営業活動を展開すべきである。



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