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集中が必要な理由は、量的(数的)優位が勝利の一般的原則だからである。
数の優位は戦術においても戦略においても勝利の最も一般的な原則である。
19世紀を生きた戦略家クラウゼヴィッツの言である。この一般原則の上でより強調されているのは、「決定的瞬間」と「決定的地点」にできるだけ多数の軍隊を集結させることによって築かれる相対的優位、つまり優位する兵力を保持することがその源泉になるということだ。時間と場所が特定された戦場では戦力差は勝敗の一要因であるが、その差が大きくなればなるほど決定的な要因になってくる、と述べている。
この原則は現代の企業の競争戦略に継承されている。コトラーは、マーケットリーダーの戦略の項で、「市場の拡大は、目標の原則とマスの原則(敵の弱点に力を集中する)という、ふたつの基本的な軍事原則に外れない範囲で、実施すべきである。」と述べている(『マーケティング・マネジメント』ミレニアム版)。
いいかえると、経営資源が限られたものである以上、競争上の相対的優位は、その資源を特定の領域に集中してはじめて生み出される、ということである。同時に資源の有効活用という経営効率の観点からも強調される。
参照コンテンツ
- MNEXT 戦略的思考とは何でしょう?(2003年)
- MNEXT 眼のつけどころ 戦略思考をどう身につけるか-スポーツ観戦で学ぶ(2019年)
- MNEXT 眼のつけどころ 高収益な市場プラットフォーム事業をどう創出するか?-MSP事業創出作法(2018年)
- MNEXT 力の論理─世界の戦いの歴史に学ぶ戦略経営法(2010年)
- MNEXT 顧客志向の高収益ビジネスモデルをどうつくるか?-市場プラットフォーム戦略の論理と事例(2012年)
- 戦略ケース コーヒーチェーン競争の行方 進む異業種とのボーダレス化(2018年)
- 戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争(2013 )
シリーズ 戦略思考を鍛える
- 紹介文 戦略思考を鍛える(MNEXT)
- 第1章 目的の設定の仕方-目的と手段関係の明確化
- 第2章 資源の集中のさせ方
- 第3章 戦略的機動の用い方
- 第4章 攻撃の仕方
- 第5章 防御の仕方
- 第6章 タイミングの計り方
- 第7章 組織心理の掴み方-戦略思考をつなぐのは組織心理
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