人口減少、晩婚化、少子化、高齢化などの人口統計的要因が悲観的に捉えられるなかで、これらの要因の相互作用として、新しい世代が注目されている。九つの財布を持つ小学高学年である。バブル崩壊後の1990代に生まれ、バブル期にインポートブランドブームを形成した新人類世代の子供達である。
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九つの財布を持つ世代
人口減少、少子化、高齢化などが経済や市場の見通しを暗くしている。顧客数が減少して、より競争が厳しくなるというものである。しかし、人口動向を具に見てみれば、意外な事実に気づく。そのひとつが「9~11才」、すなわち「小学高学年」である。
人口数からみれば、約362万人、一年当たりの人口は約120万人である。「団塊の世代」の約220万人と比較すればおよそ半分に過ぎない。いかに少子化が進んでいるかがわかる。バブル崩壊後の1990年代以降に生まれ、親の世代は、バブル経済の時代に「新人類」と持て囃された1960年代生まれの世代の子供達である。我々は、「バブルジュニア世代」と呼んでいる。この世代が、消費市場に様々なインパクトを与え、新しい市場機会を生み出そうとしている。
なぜ、この世代が注目されるのか。その理由は、財布の数の多さである。