2004年度だけでなく、21世紀初頭の最大のAV市場のヒット商品となったのはアップルコンピュータの「iPod」シリーズである。その製造コストの約43%を占めているのが日本製部品である。
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世紀の大ヒット
薄型テレビ、DVDプレイヤー、デジタルカメラの「三種の神器」が、日本の景気回復に寄与したことは言うまでもない。アメリカでは、アップルコンピュータが「iPod」、「iPod mini」、「iPod shuffle」を市場導入し、驚異的なヒットを飛ばしている。日本でデジタル家電の話題をさらっている液晶テレビ(10型以上)の2004年度の販売台数が124万台である。「iPod」は2004年度末で販売台数が1,000万台を超え、2004年度で約820万台の販売を記録した。アップル社の最新決算予測では同社の利益は対前年の約4倍の約300億円に達する見込みである。この影響は、株価だけでなく、苦戦をしいられてきたパソコン事業に好影響を及ぼし始めている。この勢いは、デジタル家電需要が一巡し、日本の情報家電各社が決算予測を大幅に下方修正しているのと対称的である。