はじめに
お話は大きく五つに分けて、進めさせていただこうと思います。デジタルコンバージェンスというのは、情報家電とかデジタル家電、通信、放送を中心とした業界でよく使われる言葉ですが、一般的な消費財メーカーで考えていきますと、恐らく、産業融合の時代になっているということを、ご案内させていただこうというのが、一番最初のお話です。
二番目に、その産業が融合されていく時代、例えば、化粧品ですともう当たり前のことですけれども、薬品とか、あるいは、トイレタリー商品とは、殆ど一体となっております。そういう形で、産業の融合が起こってくるということです。その産業の融合の時代に、これまでとは違う勝ち方が必要なんだということです。それが競争優位作りということですが、それを二番目にお話してみようと思っております。
それから三番目に、その事例としまして、これは私どものオリジナルの調査で、「消費社会白書」の中に入れていくつもりですが、ご存知の通り、今急速に、auがDoCoMoを追い上げております。これは、プラットフォーム戦略というものが、大きく寄与したせいだと考えています。そこで、何故auが追い上げているのか、NTT DoCoMoが追い上げられてるのかということを、この融合の時代のキーとなります、プラットフォーム戦略の事例として、お話していきたいと思っております。
恐らくこのプラットフォーム戦略の事例というのは、単に携帯電話の世界だけではなく、これからの消費財メーカーのビジネスモデルを考えていく上で、大きなひとつのヒントになるのではないかと思っております。
四番目に、ではこれからauが、ずっと追撃していって勝つのかといいますと、どうもそうではなさそうだと思われます。もっと大きな変化が起こってきそうだということです。それが四番目のお話でございまして、デジタルコンバージェンスは、これからどういう風になるのかというお話です。
最後に、事例をお話した後、消費財メーカーが、これから考えていくべき、新しい競争優位作りについて、どんな風にしていったらいいのかというのを、最後にまとめまして、五つのお話とさせていただきたいと考えております。