01
ふたつの団塊
新しい消費現象が世代交代をともなって生まれたり、消滅したりすることはよく知られている経験的事実である。
第二次大戦後、日本の消費でもっとも注目されたのは作家・堺屋太一氏の命名による「団塊の世代」である。戦後、大正生まれの世代がもうけた「戦争を知らない子供達」である。
- 1947年267万人
- 1948年268万人
- 1949年269万人
その後、一世代の出生人口が160万人に収斂していくのと比較してみると、60%も頭数が多い。数の多さだけではない、彼らがヤングの時代に創り出した新しい消費文化は、前世代に比較すると決定的に異なっている。
25年後、日本経済の大きな転換期となった第一次オイルショックの時に生まれた子供達が、団塊の世代の「ジュニア」である。
- 1972年207万人
- 1973年210万人
- 1974年207万人
団塊の世代の親達に比較すれば、少数だがそれでも、25%は他世代よりも多い。
この団塊のファミリーが、成人消費人口に占める比率は約20%である。1991年から始まった世紀末、2000年までの10年間、もっとも注目されるのは、この世代である。
[初出 1991.04 「NOVA」 日立キャピタル(株)]