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不況の生活への波
不況感から不況へとより景気が明確になるなかで、売れるものと売れないものがハッキリしてきた。景気を消費と生活者の対前年同月比の指標を図からみてみる。
1990年11月、まず最初に対前年同月比を割り込むのは、新築住宅着工戸数である。以来ずっとマイナスが続き、昨年の6月からプラスに転じた。景気回復の牽引車になると思われた住宅も今年の動きは鈍い。
1990年12月、月間所定外労働時間がマイナスに転じる。以来、現在まで対前年同月比を割ったままである。1990年12月と1992年12月を比べると、いわゆる残業は40%減少している。従って、収入も、残業手当が40%減少しているとみることができる。
1991年3月からは自動車が、9月からは外食のファーストフードがマイナスに転じる。
1992年になると、3月から百貨店売上、家電製品が、4月からは衣料品が、6月からは家具インテリアが、そして、8月には順調に伸びていた旅行までがマイナスに転じる。
1993年3月段階で、プラスに転じたのは、新築住宅着工戸数だけである。その伸びも堅調とは言いがたいものがある。