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インポートブランドブーム
景気の上昇局面がより明確になってきた。その牽引車は、輸出でもなく、政府投資でもなく、個人消費と企業設備投資であることは言うまでもない。特に、注目されるのはGDPの約6割を占める個人消費の動向である。個人の財布のヒモが景気の行方を握っている。
住宅、マンション、パソコン、エアコンなどの季節商品、横長テレビなどのオリンピック特需が堅調であることはよく知られている。また、流通では再び百貨店が元気を取り戻している。
4年ぶりに、対前年同月売上げを連続して上げている。こうした動きのひとつに「ブランドの復活」現象がある。
ファッション関連のブランドでは、
- 「ルイ・ヴイトン」 17%
- 「エルメスジャポン」 15%
- 「セリーヌ」 18%
- 「フェラガモ」 25%
と対前年売上げが増加している。自動車でも輸入車シェアが10%を占め、
- 「ベンツ」 24%
- 「ボルボ」 33%
- 「ローバー」 33%
- 「フォルクスワーゲン」 32%
と増加している。
インポートブランドの隆盛に加えて、大手流通業が開発したプライベートブランドに攻勢をかけられていたナショナルブランドも顕著な復活を示し始めている。
これらのブランドの脅威的な売上げの伸びとナショナルブランドの復活の背景にはどのようなことがあるのだろうか。そこには、バブル期のブランド現象とは異なった消費の構造を伺い知ることができる。