NEXT VISION 2005より
高収益事業へのシフト戦略-次世代戦略経営

2004.12 代表 松田久一

本コンテンツは、2004年12月7日に行われた当社イベント「NEXT VISION 2005」の講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。

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はじめに

 2005年の経営課題についてご提案します。今起きている2004年から2005年にかけてのマーケットの変化を受けて、次世代戦略について考察しました。そこから導き出されたのが「高収益事業へのシフト戦略」です。高収益でないと企業が生き残れない時代になりつつあります。

 まず、日本企業の現状について、情報家電メーカーを中心にご説明します。次に、低収益の構造と要因を分析して、新しい収益条件について考察しました。それらを踏まえ、2005年の経営課題である高収益へシフトするための五つの鍵をご提案いたします。

 次世代戦略(Next Strategy)とは何か?結論を最初に述べます。新しいひとつの変わらぬ収益の原則を追求していくこと、それから現代の新しいビジネスのプラットフォームを作っていくことではないかと思います。

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ものづくりで復活-JAPAN IS BACK

図1.ビジネスウィークより
図表

 2004年を振り返ると、ビジネスウィークの「IS JAPAN BACK?」の記事が最も象徴的だったと思います(図1)。これに伴い、「JAPAN IS BACK」という議論が出てきました。その中で注目されたのが、「Manufacturing (製造業)」です。やはり日本企業はものづくりで復活してきたのだというのです。そのことは、確かに当社の調査でも裏づけられました。いい商品が出たところ(業界)が、必ず消費が盛り上がっているということがあったわけです。

 特に情報家電メーカーで、次々とものづくりによる業績回復が生まれてきました。主要な情報家電メーカーの2003年度の連結の数字をみると(図2)、10社中7社が対前年で100%を超えています。経常利益についても、対前年で100%を超えているところが10社中8社あります。経常利益率については、パイオニアの6.0%を最高に、シャープの4.9%など高い傾向にあります。