II. 現代の戦略とマーケティング

1.戦略思考を鍛える

W杯による戦略入門

2002.06 代表 松田久一

 W杯を分析するのは、スポーツ、企業競争、国際政治、国家間の戦争には多くの共通項があるからです。動物的人間の持つ闘争心を礎にし、目的達成のための組織間競争というものです。しかも、これらの近接性は近年ますます強まっています。戦争も国民の支持なしには遂行できません。スポーツも観客の声援なしには成立しません。企業経営の存立基盤はまさに顧客そのものです。戦略なき敗退があらゆるところで指摘されています。他方で、戦略思考を養う基盤はますます弱くなっています。スポーツの分析は、私達にとっては専門ではありません。しかし、そこで用いられる戦い方はまさに戦略思考そのものです。戦略思考は、我々が専門機関として経験と知識を持つ領域です。クロスオーバー(遠近比較)してそこで思考を鍛錬してみたい。それがW杯を分析する理由です。サッカーは素人、戦略は玄人がコンセプトです。サッカーの専門家の分析は、サッカーには詳しいですが、戦略は素人です。どちらがきれい事ではない優れた洞察をし、戦いの教訓を引き出すことができているのか判断はみなさんに委ねます。このコンテンツが現代のグローバルなビジネスマンのよき戦略入門となるよう配信します。