01
はじめに 不況のブランド
不況下で売れているブランドと売れていないブランドがはっきりしてきた。
「ラルフローレン・ポロ」、「アニエスb」は売れているが、「パーソンズ」、「アルマーニ」、ハンティングワールド」は売れていない。売れていないブランドは30~50%の値引き販売がされている。
復活したブランドと消えていくブランドがある。「キリンラガー」「サッポロ黒生」、「カルピス」、「ハーゲンダッツアイスクリーム」は復活している。ビデオの「マックロード」は消えてしまった。
一方、景気に左右されずロングセラーを続けているブランドがある。「オロナミンC」、「ホンダ・スーパーカブ」、「チキンラーメン」、「グリコ・ポッキー」、「岩波・広辞苑」、「ハウス・バーモントカレー」。
不況は平等である。
しかし、差は生まれている。
どこからこの差は生まれているのだろうか。結論は簡単だと思う。
この差は、これまでのマーケティング戦略とその展開によって生み出されたものだ。
「老舗」の変わらぬ方針とか、変わらぬ営業スタイルとも考えない。市場は大きく変わっているし変わるに決まっているからだ。もちろん、景気のせいでもない。採用されているマーケティング、営業戦略のせいだ。
メーカーのマスブランドのロングセラー化をはかる戦略をどのようにすすめるか、それがこの論文の狙いである