力の論理─世界の戦いの歴史に学ぶ戦略経営法
第四章 力の戦略づくりの実際

2010.11 代表 松田久一

実務家に提案する日本的戦略思考法。

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戦略づくりとは

 人間が主役となる戦いを支配しているのは力である。国際紛争における軍事力、政治における権力、経済における市場支配力である。従って、様々な個人や組織などはそれぞれの戦いの場に作用している力を知り活用することによって、自らの理念や目的を達成していく必要がある。さもなければ、自分自身や自分の属する集団が目的を達成するために費やしてきた努力や苦労は報われず、国際社会において安全が脅かされたり、権力によって迫害されたり、市場における存立さえ危うくなったりする。特に、経済や産業などのビジネスにおいては、自社がグローバルな競争に敗れれば個人の生活の基盤である仕事さえも奪われかない。ここでは、経済、市場における企業の戦略経営、特に、戦略づくりに焦点をあて、力の論理を活用した勝てる戦略づくりを考える。ここで、戦略計画ではなく戦略づくりと言うのは、このような活動は多くの企業が行う計画策定のような定型的な業務であるとともに、経営トップや経営スタッフなどの個性が反映される創造的独創的側面も持っているからである。

[2010.11 MNEXT]

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