使える戦略思考
-ダイナミックな競争優位創造のマーケティングエクステンション
第1回 戦略の起源と本質

2004.08 代表 松田久一

本シリーズの目指すべきところは「自分で戦略を組み立てるようになる」ということです。戦略思考を学び使えるようになりたい人のために解説をします。

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1.戦略の起源-戦略思考はどのように生まれたのか

クラウゼヴィッツ
図表

 語源と戦略概念についての話を最初にします。これは、戦略思考に不可欠な統治意識がどのように生まれたのかを解説することです。大きな見取り図を最初に提示すると、経営の戦略概念の起源は、カール・フォン・クラウゼヴィッツ(1780-1831年)にあります。しかし、日本でも西洋でもそれ以前に戦略という言葉があり、その内容が深められていました。クラウゼヴィッツが、現代の戦略思考の合流点とするなら、それ以前の流れとそれ以後の流れに分けて考えることができます。まず、クラウゼヴィッツ以前の話、クラウゼヴィッツの戦略論、そして、それ以後というように整理して説明します。これは統治意識が生まれ、戦争によって戦略概念が磨かれ、会社経営が戦略主体として認識され、戦略経営の概念が多くの企業に導入されるまでの歴史です。この解説によって理解して頂きたいのは、統治意識が生まれる歴史的背景、戦争と経営の戦略概念の共通性と異質性、戦略概念の定義と本質です。戦略の根本ということです。統治意識が戦略思考の基礎になっている、ということがわかって頂ければ、後は、フレームワークや分析ツールなどを勉強するより、自分で事例研究や経営の実践を通じて、思考を磨いてもいいと思います。それほど、君主、統治者、将軍、経営トップの立場に立つことが戦略思考には重要です。

[2004.08 MNEXT]

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