3.ポーターに学ぶ戦略思考の鍵
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戦略プランニング 四つのステップ
ポーター理論をひとつの具体的な作業のステップとして考えていくと、まず、第1ステップとして外部の業界構造分析(五つの力)と競争地位の分析があります。第2ステップとして価値活動の分析を行います。そして第3ステップでは、市場や業界がこれからどうなっていくかという意味での業界シナリオ分析、市場と競争の巾の検討、そして基本戦略の選択をします。最後の第4ステップでは、業界変化への対応、市場と競争の選択、価値活動の基本的な再構築の方向を考えます。
この四つのステップで検討することによって、プランニングに落とせる戦略ができます(図表5)。これがコンサルティング業界の我々にとっても、実務的に戦略を考えていく人にとっても、非常に構造的で、ステップ・バイ・ステップのひとつの戦略を計画に落としていくための分析フレームワークの完成された体系として、ポーター理論はあるわけです。したがってポーター理論は、現在でも有効なひとつの標準戦略となっている、ということになるわけです。
[2004.11 MNEXT]