半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

'99年ヒット商品
-不安防衛消費
大場美子
 消費の格差が拡大している。その背景には個人レベルでの収入格差、情報格差と、業界格差、企業間格差、地域格差など多様な格差が拡大していることがある。99年消費は回復のきざしをみせているが、全体一律には進まない。また、格差の拡大は、生活スタイルの格差に及び、依拠する情報、商品選択基準、商品の入手のしかたなどアクセスの多様化と個別化も同時に進んでいくと考えられる。
 99年のヒット商品、話題の商品サービスをとりあげて、新たな消費の局面にアプローチする手がかりを探してみたい。

ネットメディア・情報投資
「iモード」、「cdmaOne」など高度化した携帯電話、パソコンのデザインを革新した「iMac」、低価格パソコンなどデジタル系機器が今年もヒットした。
 「iモード」はインターネット接続が売りで、非音声のメール送受信用途が拡大している。さらにやっと今年になって携帯ツール向けの有料コンテンツの市場がみえてきた。情報に対して週刊誌以上の支出をする顧客は限定されるという大方の予想を覆す伸びとなっている。 20代前半ではその6割が、「自宅、会社または学校で自分が使えるパソコンがある」という状況にある(当社調査)。パソコン、インターネットがビジネスユースから、ヤング、主婦層のコミュニケーションツールになって、この勢いはとどまるところを知らない。
 不況下にもかかわらず成長拡大している情報通信機器であるが、優勝劣敗の明確な市場でもある。技術の高度化、ユーザーニーズの深掘り、低価格化競争が同時進行し、それをキャッチアップできないメーカーと商品は顧客に見限られていく。

街メディア・カリスマ
ガングロ、ゴングロ、ヤマンバと局地的に都市に発生し、進化をとげたギャルがいた。他者と隔絶したファッションにより、話題性は高かったが、冬場にきて衰退したらしい。マルキュー「エゴイスト」のカリスマ店員や、ストリート系雑誌に取り上げられた街を歩くギャルそのものが見本になって増殖した。この手の種族は栄枯盛衰を繰り返すとはいえ、街のメディア化に拍車をかけた。マスメディアは後追いしかできない。
 彼女達のファッション関連の消費を中心に渋谷、原宿という街が繁盛し、渋谷の「マツキヨ」など超都市型ドラッグストアや「ドンキホーテ」や100円ショップは、ストリート系ユーザー御用達チャネルになっている。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

お知らせ

2024.12.19

JMR生活総合研究所 年末年始の営業のお知らせ

新着記事

2024.12.20

消費者調査データ No.418 サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも

2024.12.19

24年10月の「商業動態統計調査」は7ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「広告売上高」は、6ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「旅行業者取扱高」は19年比で83%に

2024.12.18

提言論文 「価値スタイル」で選ばれるブランド・チャネル・メディア

2024.12.18

24年11月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.12.18

24年11月の「景気の現状判断」は9ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.12.17

24年10月の「現金給与総額」は34ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.12.16

企業活動分析 SGHDの24年3月期はロジスティクス事業不振で2期連続の減収減益

2024.12.16

企業活動分析 ヤマトHDの24年3月期はコスト削減追いつかず3期連続減益

2024.12.13

成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク(2024年)

2024.12.12

24年10月の「家計収入」は再びプラスに

2024.12.12

24年10月の「消費支出」は6ヶ月連続のマイナスに

2024.12.11

提言論文 価値スタイルによる生活の再編と収斂

2024.12.10

24年10月は「有効求人倍率」は改善、「完全失業率」は悪化

2024.12.09

企業活動分析 江崎グリコ株式会社 23年12月期は国内外での売上増などで増収増益達成

2024.12.09

企業活動分析 日清食品ホールディングス株式会社 24年3月期は価格改定浸透で増収、過去最高益達成

 

2024.12.06

消費者調査 2024年 印象に残ったもの 「大谷選手」「50-50」、選挙も五輪も超えてホームラン!

2024.12.05

24年11月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

3位 2024.12.04

提言論文 本格消費回復への転換-価値集団の影響力拡大

4位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area