半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2010.01)
消費社会白書2010 「ひらく世代格差、強まるスマート消費」より
新しい消費の現実・マーケティングへのインパクト
ディレクター 大場美子

はじめに
 当社では今の消費をどう読み解くかということと「半歩先を読もう」というねらいをもって、継続的な調査研究をすすめてきました。その結果を2004年から年に1度、「消費社会白書」という出版物にまとめて発刊してまいりました。
 2010年版には、「ひらく世代格差、強まるスマート消費」というタイトルをつけました。不況下においてさまざまな点で、世代格差が露呈してきたと感じております。世代による格差というのは、もともとあったのだと思います。好況期においては収入にゆとりがあれば、皆さんある程度同じ水準の消費があったものが、不況下で全体的に収入が減少し、購買力の差が大きくなると、もともとあった世代による違いの山谷がはっきり見え、購買行動やモノの選び方の違いが鮮明になってきたのではないかと思います。価値意識もこの数年で大きく変化しています。結果として、消費が大きく変わったとみております。どう変わっているかというと、ここで言いたいのが「スマート消費」です。
 我々のアプローチの特長は、2004年から継続している全国の15~69歳の男女、約2,000サンプルの消費者調査データに基づいているということ、さらに80年代から続けている価値意識の時系列分析や世代研究を踏まえていることです。
図表1.消費社会白書2010 六つのポイント
 それでは、これからみなさんに本年の消費社会研究のポイントをご紹介したいと思います。内容は大きく六つに分けてお話しします。
 まず第1に、「価値意識が大転換している」というデータをお見せします。結論を先取りすると「自己実現志向」から「他者依存志向」へという変化です。
 第2番目に、どうしてこのような価値意識の転換が起こったのか、その背景をご紹介します。3番目に、「強まる節約意識」です。不況ですから、当たり前の帰結ですが、やはり節約意識が強まっていますので、その消費意識についてご紹介します。節約だけなのか、というとそうではなく、視点を変えていくと、チャンスと捉えることができることがあります。そのひとつが、セグメンテーションのしかたです。焦点の当て方を変えることで、リード層が見えてきます。それが第4番目のポイントです。そして5番目にどういうふうに買い物行動が変わろうとしているのかということをまとめます。そして最後に、以上の五つの調査結果をもとにして、これからどのようなマーケティングが必要となってくるのかということを6番目としてまとめております。

 本コンテンツの会員専用ページをメンバーシップにて公開中です。

メンバーシップサービス会員のご案内についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして会員専用ページをご利用ください。


新着記事

2025.02.13

24年12月の「消費支出」は2ヶ月連続のプラスに

2025.02.13

24年12月の「家計収入」は3ヶ月連続のプラスに

2025.02.12

24年12月の「現金給与総額」は36ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2025.02.12

24年12月は「有効求人倍率」は横ばい、「完全失業率」は改善

 

2025.02.10

企業活動分析 エバラ食品工業株式会社 24年3月期は業務用好調で増収も原価率上昇で減収に

2025.02.10

企業活動分析 東洋水産株式会社 24年3月期は価格改定が奏功し売上利益ともに過去最高更新

 

2025.02.07

消費者調査データ チョコレート(2025年2月版) 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる

2025.02.06

25年1月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのプラス

2025.02.05

提言論文 新しい群れ集団が生む市場ダイナミズム

2025.02.04

24年12月の「新設住宅着工戸数」は8ヶ月連続のマイナス

  

2025.02.03

企業活動分析 本田技研工業 24年3月期は、販売台数増加により増収増益、営業利益は過去最高に

2025.02.03

企業活動分析 日産自動車株式会社 24年3月期は、販売台数増加に加えコスト管理により増収増益

  

2025.01.31

消費からみた景気指標 24年11月は7項目が改善

2025.01.30

24年12月の「ファーストフード売上高」は46ヶ月連続のプラスに

2025.01.30

24年12月の「ファミリーレストラン売上高」は34ヶ月連続プラス

2025.01.29

24年12月の「全国百貨店売上高」は2ヶ月連続のプラスに

2025.01.29

24年12月の「チェーンストア売上高」は既存店で2ヶ月連続のプラスに

2025.01.29

24年12月の「コンビニエンスストア売上高」は13ヶ月ぶりのマイナスに

2025.01.29

24年11月の「商業動態統計調査」は8ヶ月連続のプラス

2025.01.28

24年12月の「景気の先行き判断」は4ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.01.28

24年12月の「景気の現状判断」は10ヶ月連続で50ポイント割れに

2025.01.27

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター No.168 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識がプロテイン市場をけん引

週間アクセスランキング

1位 2024.08.02

提言論文 値上げほどの値打ち(価値)はないー消費者の主要30ブランド価値ランキング

2位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

3位 2025.02.05

提言論文 新しい群れ集団が生む市場ダイナミズム

4位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

5位 2013.03.22

MNEXT ビックカメラによるコジマの買収はメーカーを巻き込んだ衰退業界再編の始まり

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area