消費社会白書2006より 日米共通セグメントの可能性 |
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認識の文化的差異 | |
消費研究チーム | |
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世界的に有名な日本ブランドの多くが企業グループの名前(トヨタ、ソニーなど)であるように、日本の消費者は、製品ブランドより企業の評判を重視する志向性がある。ブランド間の差異よりも製品の発生源としての企業の持つ内なる価値観やその信頼性を重視する見方である。日本企業も、製品・サービスの起源を企業名を通じて明確にし、信頼性を付与し、他ブランドとの差別化を図り、購買の要因とする戦略が多い。一方、欧米では、P&Gに代表されるように製品ブランド主義がみられる。ブランドは製品の差別化を図るための市場を切り分けるための一手法として活用される。原則としてそれぞれの市場セグメント毎に新しいブランドが配置される。 こうした背景には、集団主義のもと「いえ」を重んじてきた日本が企業ブランド主義、個人を尊重してきた欧米では製品ブランド主義といった、西洋と東洋の文化的差異が働いていると考えられる。既に、ユニリーバやP&Gでは、こうした文化的差異に着目し、自国では訴求しない企業名の訴求を日本市場で展開している。 図表 認識の文化的差異
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(2006.03)
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