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2003年のヒット商品
「ハイクラス」志向と「スローライフ」志向が牽引するヒット商品
大場美子
 景気回復を示す指標がいくつか出始めた。本格的な回復になるかどうかは消費が握っている。2003年に生まれたヒット商品を通して、その消費の特徴とアプローチの手がかりをあげてみたい。

限定市場-ターゲットシューティング
 有力メーカーの作り出したヒット商品としてランキング等に登場する次の三つ、花王「ヘルシア緑茶」、トヨタ「プリウス」、キヤノン「EOS Kissデジタル」には共通の特徴がある(戦略を読む・企業活動分析 「花王」「トヨタ」「キヤノン」。
 「ヘルシア」は緑茶カテキンの機能を訴求したお茶飲料で350ml 180円と高価格に設定、関東甲信越のコンビニエンスストアで限定販売され、これから全国展開するという商品である。体脂肪を気にする30代・40代の男性をターゲットにして成功したとされている。成分による機能を訴求し「健康エコナ」シリーズに続く花王らしいヒット商品である。供給の問題があったとはいえ、販路を限定したのも、割高でも購入するニーズの明確な層に浸透させ、GMS、ドラッグチャネル等での店頭値引きを回避するという大きなメリットがあったのではないかと推測される(ネット評判記「No.58 健康志向を巡る伊藤園とカルピスのお茶市場の競争」)。
 「プリウス」は、排気量1.5リッターのハイブリッドカーで価格は200万円を越える。初代は97年に発売、フルモデルチェンジの2代目が03年9月に発売された。1ヶ月で販売目標の3.5倍1万7,500台の受注を獲得したということだ。今回のモデルチェンジでは、燃費のよさ、加速性能の向上の他に、車庫入れのハンドル操作を自動で行うなど先進技術を盛り込んで、世界で最も進んだ車という印象を与えた。その点で最も話題性の高い車だったといえるだろう。しかし、実際に購入を検討するのは誰か、ということになるとスモールカーが好調な昨今では、相当割高感のある価格を受容する、この車特有の価値を認める特定の層になるだろう。
 「EOS Kissデジタル」はデジタル一眼レフカメラでレンズ付き店頭価格13万円、9月に発売して1ヶ月で14万台を受注したという。デジカメは画素数競争が続いているが実際の店頭では3万円台の400万画素クラスが売れ筋にも関わらずである。本格的デジタル一眼レフは20万を越えるため主にプロ用の商品となっていたのが、写真を趣味とする一般層に手が届く高機能高価格だったというのがヒットの所以らしい。
 この三つのヒット商品は、体脂肪が気にならない人、車に環境性能を求めない人、一眼レフカメラに関心のない人にとっては選択肢にさえ登らない商品であろう。言いたいのはすべての人に受容されるということを前提にしていないということである。特定のニーズをもったターゲット層に限定して、きちっと焦点をあてたマーケティングが成功した。しかも高価格でヒットしたという共通性がある。

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