(2009.01)
2008年のヒット商品
沈む消費、再選択される商品
2008年初頭まで堅調を保ってきた消費が急速にスローダウンした。当初は、給料があがらないのに、食品や日用品などの断続的な値上げにより日常的支出が増えた結果、家計は支出を抑制しようとした。秋以降は物価が沈静化したものの、企業の雇用削減、残業カットの動きが急速に進み、雇用不安と収入減が消費マインドをさらに悪化させている。
その結果、個別商品サービスの販売動向を調べてみると多くが苦戦したが、その中で浮上するものもあった。
パフォーマンス優位
情報通信機器では、ネットブック、ウルトラモバイルパソコンと呼ばれる5万円を中心とした10万円以下の小型PCが売れた。火をつけたのは台湾メーカーのアスースが1月に発売した5万円PCで、その後HP、デルが続き、東芝、NECなどの国内メーカーも参入して、PC市場の新価格帯市場を形成して約25%を占めるまでに拡大した。用途を限定すれば圧倒的なコストパフォーマンスが魅力である。一方、携帯電話は4月の価格体系の変更による割高感によって沈んだままである。「iPhone」も話題性は高かったが、販売は期待されたほど伸びなかった。
安・近・短の国内旅行が伸びて、旅行代金に上乗せされる燃油サーチャージ料の高騰で海外旅行は沈んだ。
百貨店やファッションアパレル業界が全般的に沈む中で、SPAで独り勝ちとなっているのが「ユニクロ」である。昨年の「ヒートテック」以降、ブラカップ付きのトップス「ブラトップ」、「速乾Tシャツ」などの機能性訴求でヒットを飛ばし、前期比2ケタの増収である。
「GAP」を抜いて衣料品ブランド店舗数で世界一となったH&Mの日本上陸も入店待ちの行列が話題になった。9月の銀座店、11月の原宿店出店に続き、09年には渋谷店、新宿店と出店攻勢をかける。低価格帯カジュアルでも、ベーシックアイテムの大量生産販売中心のユニクロに比べて、強みは品揃えが広く商品回転率が早いことで、同じ服の他人と出会う確率が低そうなことであるが、消費者の品質評価はこれからである。
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