半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

世紀末消費の心理分析
合田 英了

「不安」という心理的な要因による買い控えから、実収入の低下という現実に至って、個人消費が揺れています。 景気回復の鍵をにぎる個人消費をどう読み解くか。収入の増減では説明できない現在の消費をデータに基づいて精神分析すると、「不安防衛消費」という新しい状況がみえてきます。

1.消費好転の実態
景気に回復の兆しがみえ始めた。日本経済の好不況を表すGDP(国内総生産)の成長率は、1999年1~3月期に前期比2.0%の増加を示し、続いて4~6月期も0.1%増と二期連続のプラス成長となった。成長に寄与したのはGDPの6割を占める個人消費(民間最終消費支出)である。企業の設備投資の減速と、公共投資の息切れの中で、個人消費だけが成長を継続した。

その後の動きを家計調査からみると、7月、8月と2ヶ月連続で対前年同月比プラスの傾向を示したが、9月はマイナスに転じ、まだ不安定な要素も残している。11月11日には政府が経済新生対策を発表し、18兆円の追加投資も決まったが、昨年の17兆円の効果が景気を本格軌道に乗せる効果が弱かったことを考慮すると、これが起爆剤になるとは言い難い。景気の本格回復には、消費の行方が問題なのである。

そもそも個人消費の低迷は、消費税引き上げ後の1997年4月から顕著になり始めた。その要因はまずは心理的不安であった。金融の破綻廃業から失業の危機が現実味を帯び、年金・医療費の引き上げなど先行きへの不安が財布の紐を締めさせた。1998年に入ると失業率は欧米先進国並の4%を超え、実収入の減少など購買力の低下が消費低迷の要因に加わった。 注目すべきは、失業率が過去最悪を更新し、賃金カットなど消費低迷の要因に改善がみられない中で個人消費に堅調さがみられることである。高失業率下、収入減少下で個人消費が拡大したのはなぜか。インターネットモニター調査の分析を通じて明らかにしてみたい。

 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員ご登録についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

新着記事

2025.04.04

25年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続のプラス

2025.04.03

25年2月の「新設住宅着工戸数」は10ヶ月ぶりのプラスに

2025.04.02

ネット時代に放送局は生き残れるのかーテレビ業界の構造分析

2025.04.01

25年1月の「広告売上高」は、9ヶ月連続のプラス

2025.03.31

企業活動分析 SUBARUの24年3月期は売上台数増加と為替変動による増収効果で大幅増収増益

2025.03.31

企業活動分析 スズキの24年3月期は価格見直し、為替影響などで売上、利益とも過去最高更新

2025.03.28

成長市場を探せ キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

2025.03.27

25年2月の「ファーストフード売上高」は48ヶ月連続のプラスに

2025.03.27

25年2月の「ファミリーレストラン売上高」は36ヶ月連続プラス

2025.03.27

消費からみた景気指標 25年1月は7項目が改善

2025.03.26

25年2月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「チェーンストア売上高」は既存店で4ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「全国百貨店売上高」は4ヶ月ぶりのマイナスに

 

2025.03.25

25年1月の「商業動態統計調査」は10ヶ月連続のプラス

2025.03.24

中国メーカーの多様化戦略への対応―垂直差別化では勝てない

 

2025.03.24

提言論文 高収入層がけん引するアメリカ消費 - 日本はどうなのか

2025.03.24

企業活動分析 トヨタの24年3月期は営業利益5兆3,529億円、大幅な増収増益を達成

週間アクセスランキング

1位 2024.06.19

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 縮小する野菜ジュース市場 値上げ下でブランド継続は4割

2位 2025.03.24

中国メーカーの多様化戦略への対応―垂直差別化では勝てない

3位 2024.10.24

MNEXT 日本を揺るがす「雪崩現象」―「岩盤保守」の正体

4位 2025.03.14

日本のブランド危機と再生戦略 - トライアドマーケティング

5位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area