2000年のヒット商品 - 消費の「延期化」を解除する鍵は何か |
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大場美子 | |
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知られていないヒット商品 | ||
2000年だけでなく、90年代のヒット商品を並べてみると、マス宣伝と組織小売業店頭を通じて広範な認知を獲得し、周りの誰もが利用したというようなヒット商品が減った。代わりに、特定層の、口コミと街メディアを通じた、知られていないヒット商品が増えている。 弊社の生活研究における時系列の価値観分析によると、一貫して強まっているのが自己実現志向である。 しかし、自己実現志向―「自分らしさ」を求める願望は、簡単には満たされない。矛盾しているようだが、「他人と同じはイヤ」であると同時に、他者からの承認願望を伴い、そのために理解者―仲間を必要とする。「自分らしさ探し」の圧力が強まって、集団間は異質性が高いが集団内は均質性の高い、特定小集団化がすすむ。仲間うちだけで通じる言語、ファッション、消費が生まれる。 市場を一つのライフスタイル、流行といったもので説明することは困難である。市場セグメントの多層化、特定層化がすすんでいる結果だ。 |
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