![](https://www.jmrlsi.co.jp/top/img/ogp/ws1811-03ec.jpg)
現代人の食生活を読み解くポイントは、「食の個食化」「調理の罪悪感」「罪悪感から解放するための価値訴求」の三つです。さらに、人々は理想の食生活と現実との間にギャップを抱えています。家族と一緒に食べたいけど、時間が合わない。もうちょっとちゃんと調理したいけど、できない。そういったギャップがあります。
今回の調査では、平日の夕食について詳しく聞きました。食べた場所は、自宅が91.4%と圧倒的に高かったです。単身世帯でも自宅で食べた人が多く、88.6%でした。次に、誰と一緒に食べたかをみると、ひとりではなく誰かと食べたと答えた人が全体で65.4%でした。一方、自分だけで食べた人は33.7%でした。つまり、3分の1は「個食」ということが分かります。
何を食べたか、誰と食べたか、何人世帯なのかなどから、夕食の食べ方を六つのタイプに分類しました。六つのうち三つは、家族と一緒に同じ物を食べているという夫婦大人型、子独立家族型、子育て家族型でした。残りの三つは、ひとりで食べる個食スタイルで、家族と住んでいるが、時間差で食べている個別差延型、ひとり食型。そして、1人で暮らしている単身世帯型の三つでした。このように、夕食の摂り方は、その人だけでなく、その人が家族の中でどういう立場なのかということが影響しています。
続いて、食べているものをタイプ分けしてみました。これは七つのメニュータイプに分けることができました。中身をみると、主流は伝統的な一汁三菜より一菜少ない一汁二菜食で、47.2%でした。一汁二菜よりも品数が多いスタイルを、一汁四菜や多彩食としました。一方、少ないスタイルを、単品完結食、野菜食、単品セット食、コンビニ食と名付けました。
いくつか具体的にみてみると、多彩食は野菜やサラダ、鶏のから揚げ、焼き魚、さらにサプリメントなど多彩に食べています。一方で、単品完結食はカレーやチャーハン、ハヤシライスといったように1品で済むものを食べるスタイルです。単品に1品加えた単品セット食は、チャーハンとスープ、ラーメンと餃子などです。以上のように、食べ方の組み合わせも非常に多様化していることが、わかりました。
図表1.夕食メニューは七つ ―「一汁二菜」がほぼ過半数
![](https://www.jmrlsi.co.jp/membership/concept/report/consumption/ws1811-03-01.png)
分類した食事スタイルをだれが食べているのかについて、みてみました。品数が多い一汁四菜食は全体の11.7%でした。このスタイルの食事の割合が多かったのが、子育て共働き世帯(28.2%)と既婚夫婦のみ専業主婦世帯(17%)でした。子育て共働き世帯は、時間がない中でも品数が多い食事を提供しているといえます。
より詳細なファインディングは「消費社会白書2019」をご覧ください
![書籍イメージ](https://www.jmrlsi.co.jp/images/books/hakusho2019_120.jpg)
ネット情報依存化する行動と消費パラドックス
- 発刊以来16年間の知見とデータから「今」を鋭く分析し、「半歩先」を提案
- オリジナルの時系列調査から現在の消費者の実像に迫る
- 中長期だけでなく、短期のマーケティング戦略を構築するための基本データが満載
第12回 ネクスト戦略ワークショップ 講演録
- Session1. 情報的マーケティングへの革新
- Session2. ストイックな規律互助の価値観と消費見通し どうなる?これからの価値観と消費
- Session3. 食生活の理想と現実の乖離
- Session4. ロングセラーブランドの長寿化
- Session5. 選択の多重化と購入意欲の経路分析
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第102号 利用広がるおかず用調味料―心理負荷軽減背景に
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第97号 健康・美容意識が作るサバ缶ブーム 世代で異なる選好理由
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第93号 時短・省力ニーズで浸透する食品宅配サービス 潜在ユーザー獲得が今後の鍵
おすすめ新着記事
![成長市場を探せ 高成長続ける音楽配信、まだまだ伸び代も(2025年)](https://www.jmrlsi.co.jp/inc/seicho077.jpg)
成長市場を探せ 高成長続ける音楽配信、まだまだ伸び代も(2025年)
音楽配信が伸びている。成長率は4年連続2桁増、10年で約2.7倍に成長した。けん引するのはストリーミングだ。高い伸び率で音楽配信は音楽市場全体の3割を占めるまでになったが、世界的に見れば配信比率は67%まで高まっており、日本の音楽配信にはまだ伸び代があるといえる。
![消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる](https://www.jmrlsi.co.jp/inc/mranking420ecs.jpg)
消費者調査データ チョコレート 首位「明治チョコレート」は変わらずも、PBのリピート意向高まる
調査結果をみると、「明治チョコレート」が複数項目で首位を獲得、強さをみせたものの、「カカオショック」とまでいわれる原材料価格の高騰などによる相次ぐ値上げを背景に、再購入意向ではPBが上位に食い込んだ。
![「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識がプロテイン市場をけん引](https://www.jmrlsi.co.jp/inc/f-monthly-168s.jpg)
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識がプロテイン市場をけん引
健康意識の高まりや筋トレブームなどを背景に、プロテイン関連市場が成長しており、高たんぱくをうたうお菓子や、レトルト食品なども目にするようになった。今回は、プロテイン食品をどのような人が利用しているのかについて調査した。