半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2017年12月12日


(2017.12)
第11回 ネクスト戦略ワークショップ
「市場溶解期の再成長マーケティング」講演録 報告2.
メルティングする情報購買行動と新しい顧客接点
大澤 博一
川島 史博、中山 有希



本コンテンツの全文は、有料会員サービスでの公開となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。

本コンテンツは、2017年11月1日開催の「第11回ネクスト戦略ワークショップ」の講演内容に加筆修正を加えたものです。

 ここからは、購買行動におけるチャネル選択、情報取得から購買までのプロセス、これからの顧客接点のつくりかたについて、データを基に解説していきたいと思います。インターネットがどんどん浸透する現代では、段階的な購買モデルではなく、新しいアプローチが求められるようになってきています。


購買行動の変化

 まずは購買行動についてみます。どのような流通チャネルが使われているかというと、月一回以上利用する割合が一番高いのがコンビニ、次いで食品スーパーとなっています。このふたつだけ、5割を超えます。年代別では、40~60代女性が食品スーパー、ドラッグストア、GMS(総合スーパー)をよく使っています。一方、40代男性、10代女性などではコンビニの利用率が高いです。また、10代男性ではアマゾンが特に高い結果となりました。このように、年代によって利用する流通チャネルに差があるということがいえると思います。

 次に人口30万人以上で百貨店が30分圏内にある大都市と、30万人未満で食品スーパーかGMSのどちらかが30分圏内にある地方郊外とを、比べてみました。1年間に利用するチャネルの数は、大都市が11.64、地方が7.7でした。この結果から、大都市はいろいろなチャネルを使っているということで、「大都市重層生活圏」と名付けました。また、1ヶ月の買い物の中で、食品スーパーやGMSなどそれぞれの業態が何割を占めているかを調べたところ、地方郊外生活圏の方が、より上位に集中していました。大都市では食品スーパーとコンビニが拮抗していますが、地方では食品スーパーのシェアが大きいです(図表1)。


図表1.環境で変わる利用チャネル


 今回注目したのが、コンビニの利用実態です。利用者がどんなことを期待しているのかについて調べました。一番期待されていたのは、弁当やサラダなどの惣菜、調理済み食品の品揃えで約27%でした。そのほかでは、生鮮食品を揃えてほしいや、ATMサービスの充実、24時間営業を続けてほしいなどが挙がりました。

 これを生活圏別に見ると、大都市ではほかと比べて惣菜・調理済みの食品への期待が高かったです。また、24時間営業の継続も期待度が高いです。一方で、地方はイートインコーナーへの期待がほかよりも高くなっています。

 普段買い物で利用しているすべての業態数から、シェアの8割に達する割合を出してみると、大都市で44%、地方で31%という結果でした。つまり、大都市の方が地方よりも様々な業態を利用しています。中身をみると、大都市では駅ビル・ファッションビルがよく利用する業態の10位以内に入っていますが、地方では入っていません。逆に、地方では楽天アマゾン、ファッション専門店が入っていました。


ネットとリアルの融合ですすむ、商品購入プロセスの「ピンボール化」。メルティング時代の新たな顧客接点づくりの事例を紹介
【続きを読む】(有料会員向け公開)

※会員のご登録はこちらをご覧ください。

より詳細なファインディングは「消費社会白書2018」をご覧ください
書籍イメージ
消費社会白書2018
顧客接点のメルティングとアイデンティティ消費

  • 発刊以来15年間の知見とデータから「今」を鋭く分析し、「半歩先」を提案
  • オリジナルの時系列調査から現在の消費者の実像に迫る
  • 中長期だけでなく、短期のマーケティング戦略を構築するための基本データが満載

参照コンテンツ


おすすめ新着記事

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。  キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」

アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。

消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向
消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向

調査で結果は「氷結」が半歩抜け出し、それを「ほろよい」が追う形となった。上位にはロングセラーが目立つが、再購入意向では「アサヒ GINON」が3位に食い込んだ。大ヒットしたレモンサワーに加え、お茶やウメなどのフレーバーの台頭、ベース酒の多様化など新たな競争が生まれている。



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

新着記事

2025.04.04

25年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続のプラス

2025.04.03

25年2月の「新設住宅着工戸数」は10ヶ月ぶりのプラスに

2025.04.02

ネット時代に放送局は生き残れるのかーテレビ業界の構造分析

2025.04.01

25年1月の「広告売上高」は、9ヶ月連続のプラス

2025.03.31

企業活動分析 SUBARUの24年3月期は売上台数増加と為替変動による増収効果で大幅増収増益

2025.03.31

企業活動分析 スズキの24年3月期は価格見直し、為替影響などで売上、利益とも過去最高更新

2025.03.28

成長市場を探せ キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

2025.03.27

25年2月の「ファーストフード売上高」は48ヶ月連続のプラスに

2025.03.27

25年2月の「ファミリーレストラン売上高」は36ヶ月連続プラス

2025.03.27

消費からみた景気指標 25年1月は7項目が改善

2025.03.26

25年2月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「チェーンストア売上高」は既存店で4ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「全国百貨店売上高」は4ヶ月ぶりのマイナスに

 

2025.03.25

25年1月の「商業動態統計調査」は10ヶ月連続のプラス

2025.03.24

中国メーカーの多様化戦略への対応―垂直差別化では勝てない

 

2025.03.24

提言論文 高収入層がけん引するアメリカ消費 - 日本はどうなのか

2025.03.24

企業活動分析 トヨタの24年3月期は営業利益5兆3,529億円、大幅な増収増益を達成

週間アクセスランキング

1位 2024.06.19

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 縮小する野菜ジュース市場 値上げ下でブランド継続は4割

2位 2025.03.24

中国メーカーの多様化戦略への対応―垂直差別化では勝てない

3位 2024.10.24

MNEXT 日本を揺るがす「雪崩現象」―「岩盤保守」の正体

4位 2025.03.14

日本のブランド危機と再生戦略 - トライアドマーケティング

5位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area