コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントなど「新業態」 成長鈍化で市場は草刈り場に |
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流通研究チーム | |
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コンビニエンスストアとスーパーの機能を組み合わせた「生鮮コンビニ」の出店が相次いでいる。その口火を切ったのが九九プラス(本社・東京都)の「ショップ99」。九九プラスの成功に触発され、ローソン(ローソンストア100)、スリーエフ(キュウズマート)、am/pmジャパン(フードスタイル)と、他のコンビニも続々と展開を始めた。2月17日からはサークルKサンクスとユニーの共同出資会社「99イチバ」も出店する予定で、早くも「生鮮コンビニ」は激戦模様だ。 熾烈を極めるコンビニ業態で「台風の目」となる可能性があるのが、ドラッグストアのマツモトキヨシ。2007年からコンビニの概念を取り入れた24時間営業の新業態店舗を展開するとの報道もある。同社は、現在のドラッグストアでの品揃え以外に、弁当・総菜や日配品といったコンビニ商材を拡充し、利益を確保できる薬局の商品と利幅の薄いコンビニ商材との「粗利ミックス」を通じた低価格販売で参入することが予想される。 「新業態」が成長の踊り場にさしかかるなか、じわじわと勢力を拡大しているのがイオンだ。 ホームセンター業態でも、さらなる大再編が起きる可能性を秘めている。ホームセンターの上位企業は「KDH連合」(カーマ、ダイキ、ホーマック)、ジョイフル本田グループ、イオングループなどによるグループ化が進んだが、まだ多くの企業は自社拡大路線をとっている。しかし、KDH連合の3社が今年9月に共同持ち株会社DCMJapanホールディングスを設立し経営統合する予定で、再編が加速しそうだ。 セブン&アイ・ホールディングスもホームセンター業態に食指を伸ばしているといわれており、動向から目が離せない。 弁当総菜を巡って「新業態」と既存流通大手の戦いも勃発している。1月15日、ディスカウントストアのドン・キホーテが、持ち帰り弁当・総菜店「オリジン弁当」を展開するオリジン東秀へのTOB(株式公開買い付け)を発表し、翌16日から買い付けを開始した。だが、オリジン東秀はドン・キホーテのTOBに反対の意思を表明。イオンに友好的な買収者である「ホワイトナイト」(白馬の騎士)役を要請した。これを受け、イオンがTOBに参戦し、買収合戦の行方は混沌としている。 「新業態」は、既存流通大手も加えた形で業態の枠を超えた再編・グループ化の段階を迎えている。これは、これまで流通業が展開してきた様々な業態が消費者からの支持を失い、新たに消費者サイドに立った業態のあり方が模索されていることを示している。そして、明確な回答はいまだ見つかっていない。 ひとつのキーワードは「フレックスタイム・フレックスプレイス」(いつでも、どこでも)という買い物ニーズの高まりだ。既存の業態では、もはやこうした期待に応えることがますます難しくなっている。このフレックスタイム・フレックスプレイスを巡る業態開発を通じた流通再編が、今後も進展していくだろう。 (2006.02)
本コンテンツは、週刊エコノミスト 2006年2/21号に掲載された論文を、編集部の許可を得て転載しています。 | |
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