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流通革命への対応戦略
メーカーのeチャネル化対応
大澤 博一

 メーカーはEC化対応を、どのように検討し、推進しているのだろうか。任意の大手消費財メーカー16社を対象に実施した調査結果を中心に、各社のeリテイルへの参入状況をみていく。

eリテイルの展開状況
16社は全て独自のサイトを開設している。そこでのeリテイルの参入状況は、
  • 参入済
9社(日清食品や資生堂など)
  • 未参入だが、参入検討中
3社(カルビー、花王、ライオン)
  • 未参入で、予定なし
4社(カネボウ、自動車メーカー)
となっている(図表1)。
 eリテイルでの販売商品を店頭販売商品とeリテイル専用商品と通販限定商品の三つに分けてみる。
 店頭で販売している商品を販売している企業は、日清食品と資生堂の2社である。日清食品はチキンラーメンやカップヌードル、ラ王などの主力商品を販売している。ただし、バラ売りではなくケース単位の販売である。資生堂は化粧品ではなく、資生堂パーラーやザ・ギンザの店頭で販売している食品や衣料品などを販売している。
 eリテイル専用商品を販売している企業はキリンビールだけである。キリンビールでは、ビアマグやビールの生サーバー、キーホルダーなど雑貨類や花を販売し、酒類販売は行っていない。
 通販商品をそのままeリテイルで販売している企業は、キッコーマン、カゴメ、味の素、明治製菓、アサヒビール、サントリーの6社である。
 キッコーマンは栄養補助食品「美味しいプロテインシリーズ」を、カゴメは通販専用の健康野菜ジュースやお茶を、味の素は梅干しや、辛子明太子などの地域の特産品、自社で開発した化粧品を販売している。明治製菓は、子会社で販売するスポーツ食品「ザバス」を販売している。アサヒビールでは、ウィスキーや海外のワインなどを中心に販売。サントリーは8万円のウィスキーや海外ワインなど高価格帯、希少価値商品を販売している。
 eリテイルで実際に既存チャネルと同様の主力商品を販売している企業は僅か日清食品1社に留まっている。仮に参入してもeリテイルもしくは通販に特定した商品や非主力商品の販売を軸に展開するケースが多い。

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