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銀行再建の本筋
-リテールビジネス再生の鍵(KFS)
金融分析チーム

【概要】
 日本の家計の金融資産は約1,400兆円あり(2002年)、このうちの実に54.9%が現金・預金となっている。次いで保険・年金準備金(28.5%)である。一方、米国を見ると現金・預金の割合は12.2%にとどまっており、最も大きい割合を占めるものが株式・出資金(32.3%)である。アメリカは株を中心に資産形成されているのに対し、日本では預貯金を中心に資産形成されている。株は元本割れのリスクを含むが期待リターンも高いリスク資産、預貯金は基本的には元本保証されるがリターンは小さい安全資産と分類すると、米国と比較してみたときに日本の家計の金融資産は極めて安全資産に偏っていることがわかる。
 今後、家計の金融資産の構成比が米国のように変化していくのならば、その過程で株式や投信の売買手数料などをはじめとする大きな市場チャンスが存在する。米国的な金融資産構成比になるのは非現実的だとしても、約1,400兆円の個人資産の3%が動いただけでも42兆円である。現在日本の投信の残高は約47兆円であり、個人資産の3%が流入しただけで残高倍増となる。ではこの市場チャンスを金融機関は活かすことができるのであろうか。

【構成】
1. 市場チャンスをどう捉えるか
 (1)家計金融資産約1,400兆円
 (2)銀行が採ろうとしている戦略
 (3)個人の金融資産構成は変わるのか
2. これまでの銀行のマーケティングの問題点
 (1)銀行への不満
 (2)「当たり前」のマーケティングができていないということ
 (3)顧客の捉え方の問題
3. これからの銀行のマーケティング
 (1)デモグラフィックセグメンテーションの限界
 (2)顧客の「意識と態度」に基づく新しいセグメンテーション
 (3)本当の顧客視点を取り入れるということ
 (4)銀行のマーケティング革新のポイント



本稿は、当社代表・松田久一による助言・指導をもとに、金融分析チームが代表執筆しております。本稿の内容は、松田からのアイデア・構想に大きく負っております。ここに謝意を表します。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。
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