(2012.05)
経済指標速報
2012年5月1日(火)
主任研究員 菅野 守
【消費支出】
消費支出は名目・実質ともに改善傾向、分野別でも保健医療を牽引役に総じて堅調、個別品目でも大震災からの立ち直りに伴う明るい動きが目立つ。
1.支出全般の動向:消費支出は名目・実質ともに改善傾向
図表1.消費支出と可処分所得の 前年同月比伸び率の推移 |
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図表2.消費支出の名目及び実質伸び率 (前年同月比)の推移 |
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2012年4月27日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成24年3月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における、2012年3月の可処分所得は平均で364,900円、前年同月比伸び率は103.9%へと上昇し、3ヶ月連続でのプラスとなった。同月の消費支出は平均で329,671円、前年同月比伸び率は105.0%へと上昇し、2ヶ月連続でのプラスとなっている(図表1)。消費支出の伸び率が可処分所得の伸び率を上回ったことで、平均消費性向も2011年3月の89.8%から2012年3月は90.3%へと改善している。
消費支出の実質伸び率(前年同月比)も、2012年2月の102.9%から2012年3月には104.3%へと上昇、2ヶ月連続でのプラスとなった。名目伸び率と実質伸び率との差も、2012年1月以降はプラスに転じ、差の値も2012年1月から2月、3月にかけて徐々に拡大している(図表2)。名目と実質の変化率の差は物価の変化率に対応することを踏まえると、この結果は、物価が上昇傾向にあることを示唆するものといえる。
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