(2012.07)
経済指標速報
2012年7月3日(火)
主任研究員 菅野 守
【消費支出】
消費支出は名目・実質ともに改善が続いているが、勢いは鈍化傾向。分野別では、消費の足を引っ張る存在はみられないものの、消費を取り巻く状況は強弱相半ばの様相に。
1.支出全般の動向:消費支出は名目・実質ともに改善が続いてはいるが、伸び率は鈍化傾向にある
図表1.消費支出と可処分所得の 前年同月比伸び率の推移 |
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図表2.消費支出の名目及び実質伸び率 (前年同月比)の推移 |
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2012年6月29日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成24年5月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における、2012年5月の可処分所得は平均で309,716円、前年同月比伸び率は99.9%となり前月よりも低下し5ヶ月ぶりのマイナスとなるも、ほぼ横ばいでの推移となった。同月の消費支出は平均で304,653円、前年同月比伸び率は101.2%となり前月よりも低下するも、4ヶ月連続でのプラスとなっている(図表1)。可処分所得の伸び率がマイナスとなる一方で、消費支出の伸び率がプラスであったことから、平均消費性向も2011年5月の97.1%から2012年5月は98.4%へと上昇、4ヶ月連続での改善となっている。
消費支出の実質伸び率(前年同月比)は、2012年4月の103.8%から2012年5月には100.9%へと低下するも、4ヶ月連続でのプラスとなった。名目伸び率と実質伸び率との差の大きさは、2012年4月から2012年5月にかけて更に小さくなってはいるが、5ヶ月連続でプラスを保っている(図表2)。この結果から、デフレからの脱却は、ほぼ果たしつつあるといえよう。
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