図表1.就業形態別 現金給与総額の 前年同月比伸び率の推移 |
図表2.現金給与額 各内訳の 前年同月比伸び率の推移 |
就業形態別に、現金給与総額の前年同月比伸び率の推移をみると、全体にあたる「調査産業計・5人以上一般・パート」の折れ線と「調査産業計・5人以上一般労働者」の折れ線はほぼ同じような動きを示しており、直近の2012年5月の前年同月比伸び率は、「調査産業計・5人以上一般・パート」で98.9%、「調査産業計・5人以上一般労働者」で98.8%とほぼ等しい。他方、「調査産業計・5人以上パートタイム労働者」の前年同月比伸び率は、2011年12月以降、6ヶ月連続でプラスとなっており、収入環境の良好さが持続している。
現金給与総額の内訳として、所定内給与額と超過給与それぞれの動きに着目すると、2012年5月の所定内給与額は一人当たり平均243,290円、2011年5月の確報値に対する前年同月比伸び率は100.2%へと上昇し、再びプラスに戻した。2012年5月の超過給与(または所定外給与)は平均18,405円、前年同月比伸び率は106.2%へと5ヶ月連続で上昇し、7ヶ月連続のプラスとなっている(図表2)。現金給与総額の伸び率はマイナスである一方、「きまって支給する給与」に分類される2項目の、所定内給与額並びに超過給与の伸び率はプラスとなっている。現金給与総額の伸び率がマイナスのなった主たる原因は、特別給与の伸びの大幅な落ち込みにある。ちなみに、2012年5月の特別給与は平均6,606円、前年同月比伸び率は60.1%と、ほぼ4割減である。特別給与には確かに、夏冬の賞与や期末手当等の一時金なども含まれるが、5月という時期を考慮すると、直近での伸びの大幅減は「一時的又は突発的事由」に基づくものとみた方がよいであろう。
「きまって支給する給与」にあたる所定内給与額と超過給与とが堅調さを保ち、中でも超過給与の伸びが顕著であることに加え、現金給与総額の落ち込みが「一時的又は突発的事由」に因るものとみなせそうなことから、収入は改善の動きが続いているといえよう。
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