(2012.08)
経済指標速報
2012年8月8日(水)
主任研究員 菅野 守
【消費支出】
消費支出は名目・実質ともに一旦持ち直したが、このまま堅調に推移するとの見方はやや早計。分野別では、自動車関連品目で伸びの突出ぶりが際立つなど、消費の牽引役は健在だが、他方でマイナスの分野も目立ち、情報家電やレジャーでのスランプも鮮明に。
1.支出全般の動向:消費支出は名目・実質ともに一旦持ち直したが、
平均消費性向はやや低下
図表1.消費支出と可処分所得の 前年同月比伸び率の推移 |
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図表2.消費支出の名目及び実質伸び率 (前年同月比)の推移 |
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2012年7月31日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成24年6月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における、2012年5月の可処分所得は平均で581,983円、前年同月比伸び率は103.6%となり前月よりも上昇し再びプラスに復帰した。同月の消費支出は平均で292,937円、前年同月比伸び率は102.4%となり前月よりも上昇、5ヶ月連続でのプラスとなっている(図表1)。消費支出の伸び率が可処分所得の伸び率を下回ったことから、平均消費性向は2011年6月の50.9%から2012年6月は50.3%へと低下し、5ヶ月ぶりに悪化となっている。
消費支出の実質伸び率(前年同月比)は、2012年5月の100.9%から2012年6月には102.5%へと上昇、5ヶ月連続でのプラスとなった。名目伸び率と実質伸び率との差の大きさは、6ヶ月ぶりにわずかながらもマイナスに転じている(図表2)。デフレ脱却の動きも一旦、足踏み状態となっている。
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