(2013.07)
経済指標速報
2013年7月3日(水)
主任研究員 菅野 守
【消費支出】
可処分所得の回復傾向の下で、消費支出は息長くプラスを保ち堅調に推移。消費改善の裾野も広がりつつあるが、回復の動きは勢いに欠け、分野間での好不調の格差も拡大傾向。住居関連、交際費関連、外食や内食関連など、身近な日常生活寄りの支出が消費の牽引役となる一方、自動車関連や旅行・レジャー関連などが消費の足を引っ張っている。
1.支出全般の動向:可処分所得の回復傾向の下で、消費支出は息長くプラスを保ち堅調な推移を続けてはいるが、回復の勢いは鈍化気味であるとともに、平均消費性向も悪化に転じるなど、消費の先行きに気がかりな材料も足許では目に付く
図表1.消費支出と可処分所得の 前年同月比伸び率の推移 |
|
2013年6月28日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成25年5月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における2013年5月の可処分所得は、平均で318,353円、前年同月比伸び率は102.8%となり5ヶ月ぶりにプラスに復帰した。伸び率の値も、2013年2月を底に、3ヶ月連続で上昇している。他方、同月の消費支出は平均で307,926円、前年同月比伸び率は101.1%となり、16ヶ月連続でプラスとなっている。ただし、伸び率の値は2013年4月以降、低迷している(図表1)。2012年9月以降2013年4月までは消費支出の伸びが可処分所得の伸び率を上回り、平均消費性向も前年同月比で改善を続けていたが、2013年5月には消費支出の伸びが可処分所得の伸び率を下回り、平均消費性向も前年同月比で悪化している。
可処分所得が回復の動きをみせる中で、消費支出は16ヶ月という長きに渉りプラスを保つなど、堅調な推移を続けている。ただし、足許で伸び率の値は低迷するなど回復の勢いはやや鈍化気味であることに加え、これまで改善傾向にあった平均消費性向も直近では悪化に転じていることは、今後の消費にとって若干気がかりな材料ではある。
本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。
メンバーシップサービス会員のご案内についてはこちらをご覧ください。 |
|
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。 |
|
|