(2013.12)
経済指標速報
2013年12月3日(火)
主任研究員 菅野 守
【消費支出】
消費支出は一時的低迷を脱し、平均消費性向の改善も続くなど、支出意欲は底堅さが認められる。ただし、消費の回復の足取りは力強さに欠け、改善の裾野の広がりにも一旦ブレーキがかる。消費の押し上げの勢いは衰え、下押し圧力は強まっている。自動車関連や教育費関連が消費の牽引役となる一方で、医療費関連が消費の足を引っ張っている。
1.支出全般の動向:可処分所得と消費支出はともに、一時的低迷を脱しプラスに回復。平均消費性向の改善も続き、支出意欲には底堅さが認められる。ただし、消費支出の伸びはわずかなプラスに止まり、回復の足取りは力強さに欠ける。
図表1.消費支出と可処分所得の 前年同月比伸び率の推移 |
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2013年11月29日に総務省が公表した「家計調査報告」(平成25年10月分速報)によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯における2013年10月の可処分所得は平均で401,139円、前年同月比伸び率は100.0%となり、プラスに転換した前月9月に引き続き、かろうじてマイナス入りを回避した。他方、10月の消費支出は平均で316,555円、前年同月比伸び率は100.4%となっており、再びプラスに戻した2013年8月以降3ヶ月連続でのプラスとなっている。ただし、伸び率の値は、前月9月から大きく低下し、わずかなプラスに止まっている(図表1)。2013年8月以降、消費支出の伸びが可処分所得の伸び率を上回り続けていることで、平均消費性向も前年同月比で改善を続けている。
可処分所得と消費支出はともに、一時的低迷を脱し、足許ではプラスに回復している。平均消費性向の改善が続いていることから、支出意欲にも底堅さが認められる。ただし、可処分所得と消費支出の伸び率の値はわずかなプラスに止まるなど、回復の足取りはいささか力強さに欠ける感があるのは、今後の消費にとっては気がかりな材料だ。
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