新年度に入ってから20日余りが過ぎ、ゴールデンウィーク(大型連休)の時期も近付きつつある。消費税増税後の需要の反動減の出方は業界によりまちまちだが、一部の耐久財・奢侈財などを除き、概ね想定の範囲内に今のところは収まりつつあるようだ。
消費税増税がスタートした4月当初から上旬頃までは、増税を踏まえた節約等の生活防衛に焦点を宛てた記事や報道が時折見られたが、4月半ば頃以降は、ややトーンダウンしつつある。消費税増税前までは、増税の是非を巡り意見の対立がみられたエコノミストやマーケット関係者達も、新年度に入って以降は、増税のインパクトの評価も含め、事態の推移を冷静に見守っている処であろう。
日本経済の現状認識と先行き見通しについては、政府・日銀ともに、増税後の需要反動減による景気の短期的な落ち込みは織り込みつつも、中長期的には景気の回復基調は続く、との見方を基本的に崩してはいない。企業の業況感に関し、先行き慎重な見方が一部企業で出てきている点も、政府・日銀双方で共有されている。ただ、両者のコメントを比較すると、日銀側は、「中長期的な景気の回復基調」の方により力点を置いたトーンで表現されているのに対し、政府側は、「増税後の需要反動減による景気の短期的な落ち込み」の方により力点を置いたトーンで表現されているようだ。
増税後最初の1ヶ月が過ぎつつある中で、消費者自身でも、生活費の増加がどの程度のものとなるかも見えつつあるところだろう。この時点で支出の切り詰めが必要と判断されれば、月々の生活費は勿論のこと、場合によっては、(ゴールデンウィークも含めた)休みの日や時期の余暇・レジャーへの支出なども、節約に迫られることとなるかもしれない。その意味でも、来るべきゴールデンウィークに消費がどこまで盛り上がるかが、注目される。
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