半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2014.06)
月例消費レポート 2014年5月号
駆け込み需要の盛り上がりに反し反動減は軽微に-収入環境改善とマインドの立ち直りが早期回復の鍵を握る
主任研究員 菅野 守

1.はじめに

 新年度に入ってから2ヶ月余りが過ぎ、列島各地には、季節を先取りしたかのような真夏日が訪れている。百貨店業界では例年よりも早くお中元商戦が動き出しており、業界各社からは、消費税増税後の反動減からの脱却に向け、並々ならぬ熱意が感じられてくる。

 2014年3月の駆け込み需要の凄まじい盛り上がりから、消費税増税後の反動減の影響もそれなりに大きなものとなる可能性が高いと見込まれてはいた。だが、2014年4月の経済指標の公表が進むにつれて、当初の予想に反し、反動減の規模はひとまず、比較的軽微なものに収まっているようであることが、徐々に明らかになってきている。

 政府・日銀ともに、消費税増税後の需要反動減の影響は「想定の範囲内」との見方を示しており、日本経済の現状認識と先行き見通しに関して「中長期的には景気の回復基調は続く」との見方も、両者の間で引き続き共有されているようだ。政府は2014年5月の月例経済報告で設備投資の基調判断を上方修正しているが、先行して比較的強気の判断を示していた日銀との歩調が、徐々に合ってきていることを示唆するものといえよう。

 2014年5月や6月の経済指標が明らかになるのは、まだ先の話ではあるが、各時点での反動減の出方が予想外に悪いものとならなければ、消費税増税後の反動減の影響は短期で終息する可能性が高い。そこからの消費回復の足取りが確かなものとなるかどうかは、ボーナス商戦や夏場の旅行・レジャー動向の行方は勿論のこと、その前段階として、消費者のマインド回復にできるだけ早くこぎつけられるかが、重要となってくるだろう。


 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員のご案内についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。

 

本論文に関連する統計データ

お知らせ

2024.12.19

JMR生活総合研究所 年末年始の営業のお知らせ

新着記事

2024.12.20

消費者調査データ No.418 サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも

2024.12.19

24年10月の「商業動態統計調査」は7ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「広告売上高」は、6ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「旅行業者取扱高」は19年比で83%に

2024.12.18

提言論文 「価値スタイル」で選ばれるブランド・チャネル・メディア

2024.12.18

24年11月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.12.18

24年11月の「景気の現状判断」は9ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.12.17

24年10月の「現金給与総額」は34ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.12.16

企業活動分析 SGHDの24年3月期はロジスティクス事業不振で2期連続の減収減益

2024.12.16

企業活動分析 ヤマトHDの24年3月期はコスト削減追いつかず3期連続減益

2024.12.13

成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク(2024年)

2024.12.12

24年10月の「家計収入」は再びプラスに

2024.12.12

24年10月の「消費支出」は6ヶ月連続のマイナスに

2024.12.11

提言論文 価値スタイルによる生活の再編と収斂

2024.12.10

24年10月は「有効求人倍率」は改善、「完全失業率」は悪化

2024.12.09

企業活動分析 江崎グリコ株式会社 23年12月期は国内外での売上増などで増収増益達成

2024.12.09

企業活動分析 日清食品ホールディングス株式会社 24年3月期は価格改定浸透で増収、過去最高益達成

 

2024.12.06

消費者調査 2024年 印象に残ったもの 「大谷選手」「50-50」、選挙も五輪も超えてホームラン!

2024.12.05

24年11月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

3位 2024.12.04

提言論文 本格消費回復への転換-価値集団の影響力拡大

4位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area