新年度に入ってから2ヶ月余りが過ぎ、列島各地には、季節を先取りしたかのような真夏日が訪れている。百貨店業界では例年よりも早くお中元商戦が動き出しており、業界各社からは、消費税増税後の反動減からの脱却に向け、並々ならぬ熱意が感じられてくる。
2014年3月の駆け込み需要の凄まじい盛り上がりから、消費税増税後の反動減の影響もそれなりに大きなものとなる可能性が高いと見込まれてはいた。だが、2014年4月の経済指標の公表が進むにつれて、当初の予想に反し、反動減の規模はひとまず、比較的軽微なものに収まっているようであることが、徐々に明らかになってきている。
政府・日銀ともに、消費税増税後の需要反動減の影響は「想定の範囲内」との見方を示しており、日本経済の現状認識と先行き見通しに関して「中長期的には景気の回復基調は続く」との見方も、両者の間で引き続き共有されているようだ。政府は2014年5月の月例経済報告で設備投資の基調判断を上方修正しているが、先行して比較的強気の判断を示していた日銀との歩調が、徐々に合ってきていることを示唆するものといえよう。
2014年5月や6月の経済指標が明らかになるのは、まだ先の話ではあるが、各時点での反動減の出方が予想外に悪いものとならなければ、消費税増税後の反動減の影響は短期で終息する可能性が高い。そこからの消費回復の足取りが確かなものとなるかどうかは、ボーナス商戦や夏場の旅行・レジャー動向の行方は勿論のこと、その前段階として、消費者のマインド回復にできるだけ早くこぎつけられるかが、重要となってくるだろう。
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