2015年に入って以降、ISISによる日本人人質事件含め、内外の政治や社会にまつわる出来事が世間を騒がせているが、経済にまつわる出来事のインパクトは、1~2年前頃に比べれば、若干下火になりつつある。消費税再増税の延期を始めとして、経済政策論争の火種となりそうな事案の多くが事実上の先送り・継続審議となったこともあり、経済政策への対応はいささか切迫感の欠けるものとなりつつある。
2015年2月16日に公表された2014年10-12月期のGDP速報(一次速報)の結果をみると、実質GDP成長率は小幅なプラスに止まった。輸出は堅調な伸びを示したものの、消費や設備投資での伸びの鈍さや住宅投資の落ち込みなど、内需の低迷が足を引っ張った格好だ。景気の先行きを不安視するほどの悪材料はみられなかったが、景気の足取りの重さは否めない。それでも、政府と日銀ともに、景気の現状については上昇修正含みの判断が出されている。個別の項目でも、改善を示唆する言及が目立ってきており、景気の先行きに対しては前向きなスタンスが示されている。消費に関し、回復の動きの弱さをはっきりと認めている点も、両者で共通している。
今後の消費の足取りには気がかりな面も残ってはいるが、他方で、これまで立ち遅れの目立っていた消費マインドにも、改善の動きが広がりつつある。消費回復に向けて「役者」は出揃いつつあり、プラス転換まであともう一歩のところまで来ていることは確かだ。
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