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消費に関する各種経済指標は、一時改善の動きがみられたが、再び落ち込み、低迷が続いている。日常生活財でプラスなのは宅内充実関連支出に限られ、耐久財も消費税増税の反動を除けば概ねマイナスである。
JMR消費INDEXは低下に転じ、過去最低水準に低迷している(図表1)。
INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、2020年8月以降改善を保っているのは、食料品と家具・インテリアの2指標のみである(図表2)。
消費支出の伸びは名目と実質ともに、マイナスで推移している。伸び率の値は2020年6月に急上昇したが、7月以降再び落ち込み、低迷が続いている(図表4)。
2020年9月の10大費目別では、名目と実質ともに、10費目中9費目がマイナスとなった。マイナスの費目数も、前月8月よりも増えている(図表5)。
販売現場では、日常財のうち小売業全体の売上が、マイナスで推移している。伸び率は、2020年9月に再び低下している。これまでプラスで推移してきたスーパーの売上の伸びも、2020年9月には8ヶ月ぶりにマイナスに転じた(図表9)。
外食の売上は全体でも業態別でも、マイナスが続いている。伸び率は上昇傾向にあるが、上昇の勢いは鈍化しつつある(図表13)。
耐久財のうち、新設住宅着工戸数の伸びは2020年6月以降、全体でもカテゴリー別でもマイナスが続いている(図表12)。
家電製品出荷の伸びは、2020年7月を境に低下が続き、一部を除き再びマイナスへと落ち込んでいる(図表11)。
他方、新車販売の伸びは2020年10月に大幅な改善をみせ、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともにプラスへ戻している(図表10)。
雇用環境は、有効求人倍率で悪化の動きが続いている。一方、完全失業率では悪化の動きが一旦止まっている(図表6)。
収入環境では、所定内給与額の伸びはプラス、現金給与総額と超過給与の伸びはマイナスが続いている。ただし、伸び率は、現金給与総額、所定内給与額、超過給与のいずれも、2020年5月を境に上昇を続けている(図表7)。
消費マインドについては、消費者態度指数と景気ウォッチャー現状判断DIともに、2020年4月を境に改善の動きが続いている(図表8)。
総合すると、消費は一時、底打ちから改善の動きがみられたものの長続きせず、再び落ち込んだまま低迷が続いている。
スーパーの売上の伸びも、マイナスに転じている。日常生活財でプラスを維持しているのは、食料品や家具・インテリアなどの宅内充実関連支出のみである。
耐久財では、昨年10月からの消費税増税の反動で新車販売の伸びが急上昇したことを除けば、伸びは概ねマイナスとなっている。
雇用環境の悪化と収入環境の低迷は、依然として続いている。他方、消費マインドでは、際立った改善が認められる。
内閣府が2020年11月16日公表した2020年7‐9月期のGDP速報(1次速報)によると、実質GDP成長率は前期比+5.0%、年率換算で+21.4%となった。だが、2020年7~9月期の成長率のプラス幅は2020年4‐6月期のマイナス幅を下回っている。景気は、コロナ下のダメージから回復しきれていない。
一旦収束傾向にあったコロナウイルス新規陽性者数も再び上昇を続け、全国でも各都道府県でも、過去最高を更新している。
事態が深刻化すれば、GoToトラベルなど各種キャンペーンによる需要の盛り上がりにブレーキをかけ、景気回復のシナリオにも狂いが生じてくることとなりかねない。
2020年冬のボーナスの見通しは大幅なマイナスが予想されており、支給を見送る企業もあるといわれている。このままでは、景気回復への端緒をつかめないまま、年を越す公算が大きそうだ。
特集:コロナ禍の消費を読む
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- 消費からみた景気指標
参照コンテンツ
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