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消費は改善基調を保っており、先行き不透明感も徐々に払拭されつつある。
支出全般はプラスを保ち、小売販売もプラスが続く。外食でも改善の動きが続いており、コロナ感染拡大の悪影響もみられない。耐久財では低迷が長期化しているが、一部で改善の動きも出始めている。
雇用環境と収入環境は改善基調を保ち、マインドの悪化にも歯止めがかかっている。
コロナ感染拡大もピークアウトしたとみられ、消費への悪影響の懸念も徐々に後退しつつある。
ただし、食費や光熱費など一部で値上げの悪影響が続いており、10月以降も数多くの品目で値上げが予定されている。
消費はこの先、少なくとも年内一杯は、値上げの悪影響が続きそうだ
JMR消費INDEXは2022年7月に66.7となり、前月6月よりも改善した。近似曲線も、上昇トレンドを維持している(図表1)。
INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、7月は支出関連3指標全てが改善しており、販売関連10指標で改善した項目数は6月と同じである(図表2)。
消費支出の伸びは、名目と実質ともにプラスとなっている(図表4)。
10大費目別では、2022年7月は、名目ではプラスが9費目を占め、実質でもプラスの側が優勢である。光熱・水道や食料は、名目ではプラスだが実質ではマイナスとなり、値上げの悪影響が続いている(図表5)。
販売現場では、小売業全体の売上は5ヶ月連続のプラスである。
チャネル別では、業態間での好不調の格差が続いている。百貨店、コンビニ、ドラッグストアはプラスが続き、ホームセンターはマイナスが続いている(図表9、図表10)。
外食売上は、全体では8ヶ月連続のプラスである。
業態別でも、ファーストフード、ファミリーレストラン、パブ・居酒屋の3業態全てで、5ヶ月連続のプラスである(図表18)。
新車販売では、2022年7月時点で、乗用車(普通+小型)と軽乗用車ともにマイナスとなっている(図表11)。
家電製品出荷については、2022年7月は、白物家電は総じてプラスとなっているが、黒物家電は一部の財を除き概ねマイナスが続いている。情報家電は、スマートフォンでプラスが続いているが、ノートPCはマイナスが長期化している(図表12、図表13、図表14)。
新設住宅着工戸数は、全体では3ヶ月連続のマイナスである。
利用関係別では、分譲住宅・一戸建てはプラスが続いているが、分譲住宅・マンションは再びマイナスとなり、持家はマイナスが続いている(図表15)。
三大都市圏別の推移をみると、持家は、全ての地域でマイナスとなっている。マンションでは、その他の地域はプラスだが、近畿圏は再びマイナスとなり、首都圏と中部圏ではマイナスが続いている(図表16、図表17)。
雇用は改善基調を保っている。完全失業率は横ばい、有効求人倍率は改善が続く(図表6)。
収入も、現金給与総額、所定内給与額、超過給与額の全てでプラスが続いている(図表7)。
消費マインドについても、2022年8月には悪化の動きに歯止めがかかった。景気ウォッチャー現状判断DIも消費者態度指数も、ともに上昇に転じている(図表8)。
総合すると、消費は改善基調を保っており、先行き不透明感も徐々に払拭されつつある。
消費支出など支出全般はプラスを保っている。
日常生活財のうち、小売販売では、業態間の格差が残ってはいるものの、全体の売上はプラスが続いている。外食では、7月に入ってからも改善の動きが続いており、コロナ感染拡大第7波の悪影響も今のところはみられない。
耐久財では、概ね低迷が長期化してはいるが、白物家電やスマートフォンなど一部では改善の動きが出始めているようだ。
雇用環境と収入環境は改善基調を保っている。マインドの悪化にも歯止めがかかっている。
専門家の間からも「コロナ感染拡大第7波のピークは越えた」との見方も示されており、消費への悪影響の懸念も徐々に後退しつつあるようだ。
ただし、食費や光熱費など一部で値上げの悪影響が続いており、10月以降も数多くの品目で値上げが予定されている。
消費はこの先、少なくとも年内一杯は、値上げの悪影響が続きそうだ。
特集:2022年、値上げをどう乗り切るか
特集1.値上げの価格戦略
- MNEXT 眼のつけどころ 値上げの時代の生き残りマーケティング(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- MNEXT 値上げをチャンスに変える(2008年)
- MNEXT 不況下でもうまい価格対応で伸びる企業(2009年)
- 戦略ケース 値上げと小売業の競争 物価上昇で小売とメーカーは新競争時代に突入(2022年)
- 戦略ケース 値上げの現場 花王―戦略的値上げで収益性向上なるか(2022年)
- 戦略ケース 利益率低下により再値上げに踏み切ったキユーピー(2008年)
- 戦略ケース 値上げか値下げか-消費低迷下の価格戦略(2008年)
- マーケティングFAQ 「需要の価格弾力性」とは
特集2.値上げが企業の収益に与えるインパクトを分析
特集3.消費者は値上げをどう受け止めたのか?
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 2019春の食品値上げラッシュ!値上げ方法で明暗(2019年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 値上げの影響を受けやすい牛乳、受けにくいマヨネーズ(2013年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 食品の値上げと安全性(2008年)
- MNEXT 下がる給料、増える生活費(2008年)
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 凍結した消費マインドを溶解させるマーケティング―解除後の消費増加シナリオ(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ プロ・マーケティングの組み立て方 都心高級ホテル競争 「アマン」VS.「リッツ」(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナ禍の訪問営業は時代遅れなのか?―「会うのが、いちばん。」(2021年)
- アフターコロナの営業戦略 激変市場に対応した小商圏型営業活動のすすめ(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 行動経済学ベースのマーケティングのはじめ方(2020年)
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