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コロナ禍で、消費動向が変化しています。その変化をいち早く把握し、ビジネスに役立てるために、官公庁などが発表する統計データから気になる動向をご紹介します。
1.伸び続けるネット購買
総務省公表の「家計消費状況調査」によると、二人以上世帯でのインターネットを利用した支出総額は2017年第1月以降、上昇傾向にある(図表1)。
図表1.インターネットを利用した支出総額の推移
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インターネットを利用した支出総額の前年同月比伸び率の推移をみても、2020年2月と3月の2か月間を除き、プラスを保っている。2020年3月以降、伸び率の値は、再び上昇を続けている(図表2)。
図表2.インターネットを利用した支出総額の前年同月比伸び率の推移
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インターネットを利用した財・サービスの購入は、新型コロナウイルスの影響が出始めた2020年2月と3月には一時マイナスとなっていた。その後、コロナ禍が深まる中で、ネット購買は伸びを続け、その勢いも増している。
2.ネット購買でもコロナ禍のダメージが顕著な旅行・レジャー関連支出
品目別のインターネットを利用した支出金額を、コロナ前の2019年5月とコロナ下の2020年5月とで比較してみた。「宿泊料、運賃、パック旅行費」「チケット」などのように、コロナ禍により大きなダメージを受けた品目がある一方、「食料品」「家電」「婦人用衣類」などのように、コロナ下でも引き続きネット購買が活発な品目が存在している。ネット購買においても、品目ごとに、コロナウイルスの影響の出方の違いが、際立っている。
図表3は、「インターネットを利用して購入した財(商品)・サービス」として提示した計22品目中、「贈答品」「上記に当てはまらない商品・サービス」を除いた20品目について、2020年5月における1か月間の支出金額の多い順に列挙している。
図表3.品目別 インターネットを利用した支出金額
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3.コロナ対応や宅内充実などの目的で伸びを続けるネット購買
ネット購買の伸びが再び勢いを増した2020年4月と5月の間に、格段に伸びた品目に、着目してみる。
「インターネットを利用して購入した財(商品)・サービス」として提示した計22品目のうち、「贈答品」「上記に当てはまらない商品・サービス」を除いた20品目について、2020年4月から5月のいずれかで前年同月比伸び率の値が+50%以上のものを選び出し、2020年5月時点での前年同月比伸び率の絶対値のプラス幅の大きい順に列挙した(図表4)。
図表4.最近2か月間でインターネットを利用した支出金額の増加が顕著な品目ログインして図表をみる
上位10品目は「出前」「家具」「家電」「医薬品」「書籍」「電子書籍」「食料品」「飲料」「保険」「音楽・映像ソフト、パソコン用ソフト、ゲームソフト」だった。このうち、2020年4月と5月の双方で、前年同月比伸び率の値が+50%以上となっているのは、「出前」「家電」「医薬品」「書籍」「食料品」の5品目である。
「出前」「食料品」「飲料」といったコロナ下の外出自粛で、ネット化が進んだ品目や、「医薬品」をはじめとするコロナ感染防止対策のための品目、「家具」や「家電」など住環境の充実に寄与する品目、「書籍」「電子書籍」「音楽・映像ソフト、パソコン用ソフト、ゲームソフト」等々のコンテンツ類を筆頭とする宅内余暇の充実に寄与する品目などで、ネット購買が活発化している。
足許での感染再拡大の動きは、こうした財・サービスを中心とするネット購買の盛り上がりを、更に後押しすることとなりそうだ。
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