コロナ禍で、消費動向が変化しています。その変化をいち早く把握し、ビジネスに役立てるために、官公庁などが発表する統計データから気になる動向をご紹介します。
一時鈍化の気配がみられていたネット購買も、再び盛り返している。
特に、2020年9月以降の急回復の動きからも、選択的耐久財や健康・美容関連支出を牽引役とした消費復活への兆しがうかがわれる。
1.上昇傾向を取り戻したネット購買
ネット購買は一時鈍化の動きがみられたが、足許では再び上昇傾向となっている。
総務省公表の「家計消費状況調査」によると、二人以上世帯でのインターネットを利用した支出総額は、9月を底に上昇に転じている(図表1)。
図表1.インターネットを利用した支出総額の推移
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支出総額の伸びも、2020年9月に一時大きく落ち込んだが、その後は大幅に回復した。支出総額の前年同月比変化率は、10月に+37.9%、直近の12月には+23.6%と高い水準を保っている(図表2)。
図表2.インターネットを利用した支出総額の前年同月比変化率の推移
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2.ネット購買の急回復を牽引する選択的耐久財と健康・美容関連支出
個別品目でのインターネットを利用した支出金額の伸びをみると、ネット購買の急回復を牽引しているのは、選択的耐久財や健康・美容関連支出などである。
「インターネットを利用して購入した財(商品)・サービス」として提示した計20品目について、2020年9月から12月までの4ヶ月間における前年同月比変化率の値の推移を分類・整理した。
2020年9月以降一貫して高い伸びを保っているのは、「電子書籍」「出前」「ダウンロード版の音楽・映像、アプリなど」「飲料」「食料品」「書籍」である。これらはコロナ下で、ネット購買の伸長を支え続け、食生活や余暇の面で宅内充実に寄与してきたものでもある。
他方、不振が続いているのが、「チケット」「宿泊料、運賃、パック旅行費(上記以外の決済)」「宿泊料、運賃、パック旅行費(インターネット上での決済)」である。コロナ禍により壊滅的打撃を被った旅行・レジャー業界への悪影響が、ネット購買にも色濃く現れている。
2020年9月を底に低迷から急回復しているものは、「家具」「医薬品」「保険」「家電」「化粧品」「自動車等関係用品」である。これらの品目の伸びは9月時点で、高くてもせいぜい+10%台、低い場合には-20%近くを記録するなど、低迷していた。その後は+50%を超える高い伸びが続くなど、急回復をみせている(図表3)。
図表3.最近4ヶ月間における各品目のインターネットを利用した支出金額
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一時鈍化の気配がみられていたネット購買も、再び盛り返している。9月以降の急回復の動きからも、特に選択的耐久財や健康・美容関連支出を牽引役とした、消費復活への兆しをうかがうことができる。
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