
コロナ禍で、消費動向が変化しています。その変化をいち早く把握し、ビジネスに役立てるために、官公庁などが発表する統計データから気になる動向をご紹介します。
平均消費性向の上昇トレンドは続いている。
家計黒字も、最近半年内で減少傾向に入りつつある。
家計黒字取り崩しの動きが進んでいる。
平均消費性向の上昇と黒字取り崩しで、消費回復の動きが始まりつつある。
1.持続する平均消費性向の上昇トレンド
平均消費性向の上昇トレンドが続いている。
総務省公表の「家計調査」によると、二人以上世帯の勤労者世帯における平均消費性向は、2020年12月から2021年2月にかけて一時、前年同月を下回っていたが、2021年3月以降は再び2ヶ月連続で前年同月を上回っている。前年同月と比べた平均消費性向の上昇幅も、2021年3月と4月はともに、+6%台を記録している。
平均消費性向の近似曲線は、2020年8月頃以降、上昇傾向を保っている(図表1)。
図表1.平均消費性向の推移
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2.家計黒字幅も減少傾向へ
コロナ下で前年同月の水準を上回る勢いで積み上がり続けてきた家計黒字も、最近半年内で減少傾向に入りつつある。
家計黒字の前年同月差は、2020年5月から2020年10月にかけてプラスが続いてきた。2021年3月以降は2ヶ月連続で再びマイナスとなっている。
前年同月差のプラス幅は2020年6月をピークに低下を続け、2020年11月にマイナスに転じて以降、前年同月差のマイナス幅は拡大傾向にある(図表2)。
図表2.黒字の変化
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3.預貯金を筆頭に幅広く進む黒字取り崩しの動き
家計黒字額の構成要素の変化をみると、家計黒字の前年同月差がマイナスに転じた2021年3月と4月のいずれにおいても、預貯金の純減を意味する「預貯金純増」のマイナス幅が最も大きくなっている。
加えて、2021年4月には、預貯金以外の項目でも前年同月差がマイナスに転じた項目や、マイナス幅が拡大している項目が目立っている。2021年4月時点で、家計黒字額の構成要素9項目中、前年同月差がマイナスとなっているものは6項目にも上る(図表3)。
図表3.最近3ヶ月における黒字の各構成要素の変化
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家計黒字取り崩しの動きは、預貯金を筆頭に幅広い領域で進んでいる。
平均消費性向の上昇傾向と黒字取り崩しの進展の下で、消費回復の動きが始まりつつある。
参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ コロナの出口シナリオ(2月版)の更新―2ヶ月遅れのV回復の予兆(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナの出口シナリオとV字回復戦略―日本の「隔離人口」は約39%(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ プロ・マーケティングの組み立て方 都心高級ホテル競争 「アマン」VS.「リッツ」(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)(2021年)
- JMRからの提案 月例消費レポート 2021年6月号 消費支出はコロナ前の水準に回復(2021年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第131号 "消費抑圧の反動 食品購入は高価格帯へシフト(2021年)
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