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(2014.03)
顧客接点のリ・デザイン -次世代マーケティングの提案
1.品質差別化へのリ・デザイン
-セグメント開発とシグナル開発

構成

 (1)品質差別化のチャンス
 (2)プレミアム市場のセグメント開発
 (3)プレミアム価値のシグナル伝達

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 長いデフレが終わり、消費者の低価格離れ、品質志向への兆しが出てきている。消費税増税直前の現在は、価格志向への揺り戻しがみられるが、品質志向は底堅く、価格で選ぶ人と品質で選ぶ人とに市場が分かれ始めている。企業にとっては「価格競争」から脱却し、「品質差別化」へと舵を切る絶好の機会が到来している。品質差別化とは、品質で優位にたってライバルに勝つ戦略である。品質差別化は、消費税増税後の反動減を乗り切る切り札にもなる。鍵を握るのは、「プレミアム市場のセグメント開発」と「プレミアム価値のシグナル伝達」である。

(1)品質差別化のチャンス
 消費者が、「価格志向」から「品質志向」へ変わり始めている。消費社会白書2014(JMR生活総合研究所)の結果では、「価格が安いものを選ぶようになった」人が減少し、品質志向の人が様々な製品市場の拡大を牽引している。低価格に飽きた品質志向層の消費が活発化している。価格競争を抜け出し、品質で差別化するチャンスが広がっている。
 品質差別化は、消費税増税後の反動減に対して有効な手になる。楽観シナリオでも、悲観シナリオでも、どちらでも売上が維持できるからだ。仮に、楽観シナリオの場合、品質差別化をとれば、「売上増(数量増・単価アップ)」、低価格をとれば、売上維持(数量増・単価ダウン)」になるが、悲観シナリオの場合、品質差別化なら、「売上維持(数量減・単価アップ)」、低価格をとると、「売上減少(数量減・単価ダウン)」になる。つまり、品質差別化をとったほうが、最低限の売上を維持することができるが、低価格化をとると、売上維持どころか、減少のリスクを背負うことになる。
 問題は、その肝心な品質を消費者が判断できないことである。当社の過去の研究では、ザ・プレミアム・モルツ、アサヒスーパードライ、金麦の3銘柄のブラインドテスト(銘柄を伏せて試飲させる調査)を実施したところ、識別できたのは30人中たった3%であった。ところが、銘柄をあげ品質評価を聞くとザ・プレミアム・モルツの品質評価が高い結果であった。
 商品サービスの品質を、消費者が判断することは困難である。消費者は、不完全な知識しかもたないからだ。現実には、何らかの手がかりによって、品質を推定しているにすぎない。ザ・プレミアム・モルツの品質が評価される背景には、品質判断の基準に対する対応の差がある。



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【基調論文】 顧客接点のリ・デザイン -次世代マーケティングの提案
  1.品質差別化へのリ・デザイン-セグメント開発とシグナル開発
  2.多元チャネルのリ・デザイン-多元流通ネットワークの再定義
  3.リアル小売の売場力開発-選択、購入、入手の即時化
  4.消費者ネットワークへのアプローチ戦略
  5.顧客の捉え方とセグメントのリ・デザイン-筋書きづくりによる遠近透視

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