「市場溶解期の再成長マーケティング」講演録 事例.
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本コンテンツは、2017年11月1日開催の「第11回ネクスト戦略ワークショップ」の講演内容に加筆修正を加えたものです。
ここからは、どのようにマスターブランドを基軸として4Mビジネスモデルを展開していったらよいのかについて、事例を挙げながら解説していきたいと思います。
単に製品を売るだけの時代は終わり、世の中には情報やソフト、サービスといった様々なものが混在しています。こういったものを掛け合わせて提供していくことで、消費者との新たな接点が生まれます。企業の中には、掛け合わせを行うことで再成長しているところがあります。
かけ算の典型例を紹介したいと思います。今、サラダに注目が集まっています。渋谷区や港区を中心に、サラダ専門店が次々とオープンしています。また、サラダの宅配サービスも人気のようです。なぜウケているかというと、単にサラダを提供しているだけでなく、いろいろな野菜を組み合わせたり、栄養素などの情報を組み合わせたり、それを自宅まで運んでくれたりというサービスも付けているところです。かけ算で付加価値を生み出しています。食の高度化に対応しているといえます。
同じようなことが他の商品でも進んでいます。シャープのオーブンレンジ「ヘルシオ」です。家電は、どんどん高機能化が進んでいますが、使いこなせない人も多いです。
シャープは、より手軽に本格的な料理を楽しめる食材キットを作って、それを宅配するというサービスを始めました。「まろやかグリーンカレー(2~3人前)」が4,104円(税込み)、「牛やわらか煮(3~4人前)」が4,104円(同)と値は張りますが、調理にこだわりたいけども何を買っていいか分からないという人のニーズを捉えています(図表1)。
![](https://www.jmrlsi.co.jp/membership/concept/report/strategy/ws201711-04-01.png)
この食材キットの販売のためにシャープは、「ぐるなび」、カット野菜やレシピ付き食材などの宅配事業を手がける「タイヘイ」と組みました。始まったばかりですが、レストランでしか食べられなかった本格的なメニューが自宅でも食べられると好評です。「ヘルシオ」という商品に、情報やサービスをうまく組み合わせている一例です。
次がサンスターのオーラルケアブランド「GUM」です。このブランドが行った調査から、消費者の大半がしっかりと歯を磨けていないということが分かりました。そこで、歯ブラシの下に小さなアタッチメントを付けると、しっかりと歯が磨けているかをスマートフォンで確認できるサービスを始めました。商品にプラスして、ゲーム感覚で歯磨きをできるサービスを組み合わせている例です。
![書籍イメージ](https://www.jmrlsi.co.jp/images/books/hakusho2018_120.jpg)
顧客接点のメルティングとアイデンティティ消費
- 発刊以来15年間の知見とデータから「今」を鋭く分析し、「半歩先」を提案
- オリジナルの時系列調査から現在の消費者の実像に迫る
- 中長期だけでなく、短期のマーケティング戦略を構築するための基本データが満載
参照コンテンツ
- 第11回 ネクスト戦略ワークショップ「市場溶解期の再成長マーケティング」ご案内
- MNEXT 第11回ネクスト戦略ワークショップ 講演録
提言.市場溶解期のビジネスモデル変革 - JMRからの提案 第11回ネクスト戦略ワークショップ 講演録
報告1.生活者をどう捉えるか―消費を牽引する「三層」の分析 - JMRからの提案 第11回ネクスト戦略ワークショップ 講演録
報告2.メルティングする情報購買行動と新しい顧客接点 - MNEXT 市場溶解期の再成長戦略 4Pマーケティングから4Mビジネスモデルへの転換
- MNEXT 最新版「『消費社会白書2018』―顧客接点のメルティングとアイデンティティ消費」のポイント
- 消費から見た景気指標
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