これまで消費者は一般的に、1商品カテゴリー5ブランド程度しか認知できないといわれてきた。消費者はインデックス型のブランド選択をするため、広告宣伝でブランドの認知度を上げることが企業に求められてきた。しかし、消費者の購買行動が検索型に変化したことで、5つに限られていた消費者のブランド認知能力は飛躍的に増大した。ネットでほしい商品を検索し、スペックや価格などを確認。購入商品を決める。缶コーヒーを検索すれば、千以上の商品がヒットする。購買行動が根本的に変わったといえる。
この消費者の変化に対応するため、企業も戦略の転換が求められている。企業はこれまで、誰に、どういう商品を、どれくらいの値段で、どういうプロモーションで、どこで売るかというマーケティングのレガシーに則って商品を開発、販売してきた。ところが、このレガシーに基づいた戦略だけでは、検索型の消費者と接点をつくりづらくなってきているのだ。
消費者との新しい出会いの場を求め、すでに顧客接点の再構築を始めた企業も多い。いろいろな店舗で買い物をしても特典がひとつにまとまる共通ポイント市場への「楽天」の参入、「伊勢丹」のマーチャンダイジング力と「日本郵便(JP)」の配送力の双方の強みを生かした合弁会社の設立、「アマゾン」の酒類販売スタート、「BOOKOFF(ブックオフ)」で買い取ったものをネット上のオークションサイトで販売できるようにする「ヤフー」と「BOOKOFF」の提携などがその例だ。
検索型の購買パターンに移った消費者をどう捉えるか。マーケティング発想から、顧客との新たな接点づくりといった発想へ視点を変えることで、今の消費者が見えてくる。
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開催要項
終了いたしました。
日時 : 2014年5月22日(木) 13:00~16:00
会場 : JMR生活総合研究所 会議室
パレスサイドビル2F
1.品質差別化へのリ・デザイン-セグメント開発とシグナル開発
2.多元チャネルのリ・デザイン-多元流通ネットワークの再定義
3.リアル小売の売場力開発-選択、購入、入手の即時化
4.消費者ネットワークへのアプローチ戦略
5.顧客の捉え方とセグメントのリ・デザイン-筋書きづくりによる遠近透視
Session 1 13:10~14:00 |
【基調講演】
「顧客接点のリ・デザインのご提案」 代表取締役 松田久一
■ 短期の市場を読む - 消費増税後の消費動向 ■ 中長期の市場を読む - 消える買物・爆発する顧客接点 ■ レガシーマーケティングの崩壊 ■ 顧客接点のリ・デザイン 5つの革新 |
Session 2 14:10~15:10 |
【豊富な事例に学ぶ】
「顧客接点のリ・デザイン - 成功事例(予定)」 ディレクター 大澤博一
ビジネスディベロップメントマネジャー 合田英了
■ 商品接点のリ・デザイン 1.品質差別化のリ・デザインによる中核市場での勝ち型 ・ビール市場の垂直ブランド配置で成功したサントリー ・情報量・質がシグナル基準となったパナソニック「ビストロ」 ・パッケージとイメージが高品質を感じさせるハーゲンダッツ ・コメダ珈琲の都市部進出を阻止する星乃珈琲店 ・16年ぶりに既存店売上が前年を上回ったロイヤルホスト 2.需要のロングテール化への接点づくり ・野菜の旬を味わうカゴメ・ご当地ジュースシリーズ ・地域限定品と高級化で市場支配を強めるカルビー ・今までにはない味わいを実現した「大人のきのこの山」 ・まさかのバリエーションで快進撃を続ける「ガリガリ君」 ・成熟醤油市場で新たな選択肢を提供するキッコーマン ■ チャネル接点のリ・デザイン 1.リアル店舗の弱みをネットで補完する ・品番メモで退店後の需要を刺激するユナイテッド・アローズ ・楽天ポイントをリアル店舗への集客に生かす ・クックパッドとチラシを連動させたタイヨー ・店舗にない商品をタブレット端末で注文できるイオン ・在庫の一元管理で品切れロスを回避したメーシーズ 2.ネットの弱みをリアルで補完し、接点カバー率をあげる ・グループMD力とCVS店舗網を活かすセブン&アイグループ ・ブランド体験をリアル売場で実現するコカ・コーラ ・来店するだけでポイントがたまるスマポ 3.ネットとリアルの相乗効果を引き出す ・日本最大の接点を活かすJPと三越伊勢丹 ・リアル接点としての駅を活かす東急グループ ・ネットとリアルの相乗効果を狙うブックオフ |
Q&A
15:15~16:00
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質疑・意見交換とフリートーク
ファシリテーター
ディレクター 舩木龍三
■ 現在の消費の変化をどう読むか ■ 自社商品の商品接点をどうリ・デザインするか ■ 自社のチャネル接点をどうリ・デザインするか |