味の素の2018年3月期の連結決算は売上高1兆1,502億円(前年同期比5.4%増)、事業利益は973億円(同0.5%増)と、増収ながら利益は横ばいとなった。セグメント別にみると、日本食品セグメントの売上高は3,841億円(同1.6%減)と減収。原因としては、家庭用コーヒーの市場の縮小とそれに伴う競争の激化が挙げられる。海外食品セグメントは、調味料・加工食品や冷凍食品の売上増加に加え、為替の影響がプラスに作用し、売上高は4,647億円(同8.3%増)となった。ライフサポートセグメントは1,342億円(同8.2%増)と増収となった。動物栄養分野では、換算為替影響に加え、トリプトファン及び「AjiPro(R)-L」が大幅増収となったほか、化成品分野においても香粧品素材、ケミカルも売上を伸ばした。ヘルスケアセグメントの売上高は1,042億円(同16.5%増)と大幅な増収となった。医療用・食料用アミノ酸及び機能性表示食品等のサプリメント事業や、製薬カスタムサービスが大幅な増収を実現した。現状、主要原材料費の高騰等の逆風が強く、「FIT&GROW with Specialty」を継承 し、土台となる「経営基盤の強化」にも取り組むべき17-19中計に対しては、1年遅れの進捗を余儀なくされている。2018年度は、国内・海外グループ会社の構造課題解決を重点化し、修正した成長戦略を推進。本格化する国内生産工場の集約やコーポレート部門の効率化に取り組み、2020年度に向け挽回していく方針である。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 味の素 CO2排出量表示で先手(2008年)
- 戦略ケース どこまで伸びるか トクホ市場(2005年)
- 戦略ケース シェア集中対応と中間付加価値開発(1999年)
- 戦略ケース プレミアムバリューの創造とローコスト化への挑戦(1994年)
- 戦略ケース ソフト化による事業多角化戦略の展開(1990年)
- 戦略ケース 「CooK Do」の需要開発 (1983年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 利用広がるおかず用調味料―心理負荷軽減背景に(2018年)
競合他社の業績と比較分析する
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