2019年3月期の連結決算は、売上高2,054億円(前年同期比0.2%増)、営業利益202億円(同2.4%増)と増益であった。経常利益は208億円(同1.7%増)、純利益も128億円(同24.6%増)と過去最高を更新。食品業界においては食の安全・安心の徹底や、ライフスタイルの変化で簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化とその兆しをとらえたより付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増している。このような経営環境のもと、2018年度からの3年間を対象として、「経営基盤の盤石化と成長戦略の加速」を基本方針とする中期経営計画を策定。初年度は高収益安定企業を実現すべく、主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の訴求及び高付加価値商品の開発に注力するとともに、生産効率の向上や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んだ。食料品製造事業の部門別には、国内の菓子食品部門において「チョコボール」新製品が好調に推移したが、「ハイチュウ」「森永ココア」が苦戦し、主力ブランド全体では昨年並みの売上となった。海外は米国、中国が好調に推移したが、インドネシアにおける合弁会社の提携解消にともなう影響で、減収(同9.2%減)となった。冷菓部門は主力ブランドが好調に推移し、売上高は微増、健康部門は猛暑による需要拡大や新製品が好調に推移し増収(同4.5%増)となった。2020年3月期は主力ブランド注力、ウェルネス領域規模の拡大、商品規格見直しや高収益ブランドへの集中などにより、売上高2,070億円、営業利益210億円を見込む。
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 健康意識を背景に受容層広がるゼリー飲料(2019年)
- 戦略ケース スイーツのジレンマ 欲望と罪悪感の狭間で成長するチョコレート市場(2017年)
- 戦略ケース トータルマーケティングへの転換(1986年)
- 戦略ケース 森永「おっとっと」ヒットの秘密 (1984年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。