セイコーエプソンの2021年3月期の連結決算は、売上収益9,959億円(前年同期比4.6%減)、営業利益476億円(同20.7%増)、事業利益616億円(同50.9%増)と減収増益となった。売上収益については、在宅印刷需要のプラス効果の一方で、上期中心に新型コロナの影響を受けたことから減収。利益については、在宅印刷需要の継続によるインク販売の増加、販売価格上昇、費用削減の徹底などから増益となった。事業別には、プリンティングソリューションズ事業、ウエアラブル・産業プロダクツ事業は売上微減ながら事業利益は大幅増加となったが、ビジュアルコミュニケーション事業はコロナ影響に加えて、フラットパネルディスプレイの浸食も受けてプロジェクター市場が大きく減少し、売上収益が前年比22.8%減と大幅減。事業利益についても前年比90.1%減と大幅なマイナスとなった。2021年3月には、ありたい姿「持続可能でこころ豊かな社会を実現する」を定め、「環境ビジョン2050」を改定した。 その実現のため、また「Epson 25」の反省から、長期ビジョンを見直し、「Epson 25 Renewed」を策定した。ビジョンステートメント『「省・小・精の技術」とデジタル技術で人・モノ・情報がつながる、持続可能でこころ豊かな社会を共創する』の実現に向けて、取り組みにメリハリをつけることにより、収益性の確保と将来成長を目指す。
参照コンテンツ
- 戦略ケース 「セイコーエプソン」×「キヤノン」 複合機移行でデッドヒート (2007年)
- MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2021年)
- MNEXT 凍結した消費マインドを溶解させるマーケティング―解除後の消費増加シナリオ(2021年)
- MNEXT 静かに激変する「当たり前の日常」と解凍消費(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
競合他社の業績と比較分析する
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。